宮島未奈著『婚活マエストロ』(文藝春秋)を読む。

『成瀬は天下を取りにいく』(新潮社)で大ブレークをした宮島さんの3冊目の小説。
主人公は40歳のフリーライター・猪名川健人。
彼はネットの「コタツ記事」を書いてなんとか生活している。
結婚願望はない彼だったが、婚活パーティーの取材をきっかけに、婚活パーティーに深くかかわることになっていく。
「婚活マエストロ」と呼ばれている鏡原奈緒子も魅力的な登場人物だ。
宮島さんの文体は読みやすく、しかも読者を物語に没頭させる力がある。
予想通りの結末で終わるが、それも心地よく、読後感が良い。
『成瀬は天下を取りにいく』『成瀬は信じた道をいく』同様、元気がもらえる小説だ。
もちろん、私は参加しないけれど、「婚活パーティー」はなかなか興味深いものだと思った。
おすすめの一冊です。