第173回 河野啓著『ヤンキー母校に恥じる』

河野啓著『ヤンキー母校に恥じる』(三五館シンシャ)を読む。

この本は、義家弘介氏をめぐるドキュメンタリー作品だ。

著者は、北海道放送で「ヤンキー母校に帰る」などのドキュメンタリー番組を作り、義家弘介氏をスターにした。

義家氏は、母校の教師を辞め、国会議員になる(2024年、衆院選で落選し、政界引退)。

著者は、自分が義家氏をスターにしてしまったことを後悔し、この本を書き上げたそうだ。

本書では、国会議員になる前を「ヨシイエ」、国会議員になってからを「義家氏」と区別する。

数多くの取材対象から分かるのは、義家氏は、すぐにキレ、嘘つきで、平気で他人を傷つけ、裏切る人物だ。
関わる人たちを悲しくさせる。
当然、関係は長くは続かず、彼の周りから人は遠ざかってゆく。

それでも、教員時代のヨシイエ氏には、まだ魅力があったかもしれない。
しかし、国会議員になって、変節し、どんどんと人相が悪くなっていった。

元タレントや元スポーツ選手が、知名度を利用され、政治家になり、顔つきがどんどん悪くなる有名人が多い。
義家氏はその典型だと思う。

とてもおもしろかったが、もやもやするものが残る本だった。

コメントを残す

コメントは管理者に送信され、基本的に公開はされません。
なお、メールアドレスを入力いただいた方には、コメントへの返信をメールでお送りする場合があります。
※特に返信が必要な場合はお問い合わせフォームをご利用ください。