第9回 信長は本当に「であるか」と言っていたのか? (その2)

前回のブログで、私は次のように書いた。

ところで、信長は本当に「であるか」と言っていたのだろうか?
ドラマの中の信長は「であるか」を連発しているのだが。
非常に気になるところである。

気になったので、学生時代からの親友Oにメールで質問してみた。
Oは織田信長が大好きで、信長については非常に深い知識を持っているのだ。
質問してから数日後に回答があった。それを簡単に紹介したい。

信長の家臣である太田牛一の著書「信長公記」の中に以下のようなことが書かれているそうである。

信長が、義父である斎藤道三と会見したときのこと。
遅れてきた道三を道三の家臣が、信長に次のように紹介した。
「この方が斎藤山城守である」と。そのとき信長は「であるか」と言った。

Oの記憶では、信長が「であるか」と言ったのはこのときだけだそうだ。

ということは、信長は「であるか」と言ったことがあり、まったくの作り事ではないということになる。
そして、小説家や脚本家の誰かが「信長公記」でこのエピソードを見つけて、それを作品に取り上げ、信長に「であるか」と言わせた。そして、それが普及し、「信長といえば『であるか』」ということになったのかもしれない。
「であるか」と言う信長は、エラそうで、私たちがイメージする信長にぴったりだ。

信長の「であるか」について何かご存じの方は、是非ご連絡下さい。