河野啓著『ヤンキー母校に恥じる』(三五館シンシャ)を読む。

この本は、義家弘介氏をめぐるドキュメンタリー作品だ。
著者は、北海道放送で「ヤンキー母校に帰る」などのドキュメンタリー番組を作り、義家弘介氏をスターにした。
義家氏は、母校の教師を辞め、国会議員になる(2024年、衆院選で落選し、政界引退)。
著者は、自分が義家氏をスターにしてしまったことを後悔し、この本を書き上げたそうだ。
本書では、国会議員になる前を「ヨシイエ」、国会議員になってからを「義家氏」と区別する。
数多くの取材対象から分かるのは、義家氏は、すぐにキレ、嘘つきで、平気で他人を傷つけ、裏切る人物だ。
関わる人たちを悲しくさせる。
当然、関係は長くは続かず、彼の周りから人は遠ざかってゆく。
それでも、教員時代のヨシイエ氏には、まだ魅力があったかもしれない。
しかし、国会議員になって、変節し、どんどんと人相が悪くなっていった。
元タレントや元スポーツ選手が、知名度を利用され、政治家になり、顔つきがどんどん悪くなる有名人が多い。
義家氏はその典型だと思う。
とてもおもしろかったが、もやもやするものが残る本だった。