ノートの記名はお子さん自身に書かせて下さい

 長年、たくさんの子どもたちと接していて思うことがあります。そのうちの一つが、「うまくなくてもいいから、ノートの名前や教科名はお子さん自身に書かせてほしい」ということです。
 小学3年生くらいからは自分で書かせたほうがいいです。

 もちろん、上手に書けなかったり、失敗したりもします。中学1年生になって、「数学」と書くべきところを「算数」と書いてしまい、修正テープを貼り、その上に「数学」と書き直している、そんな子がいます。真新しいノートにマジックで格好良く書くはずが、失敗してしまい、何とかしようと格闘した姿が目に浮かびます。このようなノートを見ると微笑ましくなります。そして、「この子は大丈夫だ」と思うのです。不思議なことに、このような子のほとんどは、ちゃんと成績が伸びますし、たくましく育つのです。

 詳しい理由はわかりません。ですが、おそらく、「ノートの名前を書く」という小さなことも自分でやる習慣がついている子は、成長とともに、何事も「自分ごと」と捉えるようになるからなのではないかと思っています。
「名前を書くのを失敗した→自分で工夫して書き直した」、このようなことが大切なのです。

 子育てにおいて重要なことは、小さいうちから「子どもに小さな失敗をたくさんさせること」です。「失敗させたくないから」と思って、何でも親が先回りしてやってしまうと、かえって本人のためになりません。子どもの成長を止めたり、遅くさせたりしてしまうのです。

失敗は成長するチャンスです。

 是非、ノートの名前や教科名は、お子さん自身に書かせるようにして下さい。そして、小学校の低学年に弟さんや妹さんがいる方は、いまのうちから本人に書かせるようにしてあげてほしいなと思います。