7月8日に、第104回全国高校野球選手権栃木大会が始まる。
今年もどんな熱戦が繰り広げられるのか、とても楽しみである。
現在、当塾の卒業生たちも3校の高校の野球部に所属している。3年生にとっては最後の大会になる。彼らには悔いのない大会にして欲しいと思う。
栃木大会でも毎年たくさんのヒーローが生まれる。
そして、時間を経っても忘れられない選手がいる。
その中の一人が、2013年、第95回大会の青藍泰斗の澤田大季投手である。
東京出身の澤田投手は、この大会、たったひとりで6試合を投げ抜いた。
投球数は680球だった。
テレビで見ていて、「こんなに投げさせたら壊れてしまうぞ」と心配になったくらいだ。
作新学院との決勝戦、澤田投手は9回2アウトまできた。
あと1つのアウトを取れば甲子園出場が決まる。
しかし、あと1人ということで力尽きてしまった。
ピンチになっても辛い表情を見せず、それどころか苦笑いを見せつつ淡々投げていた。
そんな澤田投手が忘れられない。
試合が終わっても、やりきったという表情がすがすがしかった。
当時、そんな澤田投手を私は短歌にしてみた。
以下がその短歌である。
ピンチでも表情変へず淡々と得意のボールを投げ込む澤田
東京を離れ栃木の高校に来て野球部のエースとなりぬ
六試合をたつた一人で投げてゐる君の顔には疲れが見える
恐らくは気力で投げてゐるのだらう決勝戦のマウンドの君
九回二死走者なしから死球出しエース澤田の調子が狂ふ
六試合六八〇球投げて澤田大季の夏が終はりぬ
名門の作新相手にエース澤田が青藍泰斗の意地を見せたり
「短歌人 平成二十五年 十月号 第856号」より
高校卒業後、澤田投手は白鷗大に進学した。
そして、投球ホームをアンダースローに変えたということをネットで知った。
さあ、今年はどんな熱戦が繰り広げられるのか。
高校球児のみなさん、がんばってください!
エアコンの効いた涼しい部屋から応援しています!