10月某日。
栃木県立博物館の企画展「鑑真和上と下野薬師寺」に行ってきた。
一番の目的は「鑑真和上坐像」(御身代わり)にお会いしてくることだった。
鑑真さんは中学校の歴史の教科書にも登場する、とても有名なお坊さん。
日本人なら知らない人はいないと思う。
歴史の教科書には、「鑑真和上坐像」の写真とともに以下の説明がある。
鑑真 688~763
『社会科 中学生の歴史』(帝国書院)より。
~日本からの依頼に命懸けで応えた僧侶~
唐の僧侶である鑑真は、弟子を日本に派遣しようとしましたが、当時日本への渡航は大変危険であったため、名乗り出る者が誰もおらず、みずからが日本へ渡航することを決意しました。たび重なる渡航の失敗によって失明しても、強い意志を持ち続け、およそ10年かけて、ようやくその願いをかなえました。日本に正式な戒律(修行のきまりごと)を授け、後に唐招提寺を開きました。
(唐招提寺蔵、奈良国立博物館提供)
国宝である本物の「鑑真和上像」は、唐招提寺で毎年6月5日~7日の3日間のみ公開されるそうだ。(6月6日が鑑真さんの命日)
そのかわり、平成25年に御身代わり像(身影像)が制作され、こちらは毎日参拝できる。
昔々、高校時代の修学旅行で唐招提寺には行ったが、確かこのときは鑑真和上像には参拝できなかったはず。
そのため、今回が鑑真さんに初めてお目にかかったことになる。
御身代わり像とはいえ、鑑真さんは美しいお姿であった。
「鑑真和上坐像」(御身代わり)以外にも、興味を引く古文書、木簡、仏像などがあり、楽しい一時を過ごすことができた。
読もう、読もうと思って未だに読んでいない、井上靖さんの『天平の甍』(1957年)を今度こそ読もうと思った次第である。
※『天平の甍』……遣唐使(第9次)で大陸に渡った留学僧たち。高僧を招くという使命を受け、後に鑒眞(鑑真)と会う普照と栄叡を軸とした若い留学僧たちの運命を描く。
Wikipediaより