第43回 「シン・ウルトラマン」を観る

昨年の5月に公開された、庵野秀明企画・脚本、樋口真嗣監督の「シン・ウルトラマン」をアマゾンプライムビデオで観た。
昨年、学生時代の友人が「おもしろかった」と感想を伝えてくれていたので、いつかは観ようと思っていた。

ネットでの感想は賛否両論あった。
実際に観た私の感想は、エンターテイメント作品としてとても良くできていたと思う。
子供時代に「ウルトラマン」を観ていた人間としては、押さえるところは押さえていたし、細部の新しい解釈にも違和感がなかった。
とてもおもしろかった。

内容は別として、物語終盤の以下のシーンが印象に残った。

禍威獣特設対策室(禍特対)の専従班・非粒子物理学者である滝明久(有岡大貴)が、「もう何でもウルトラマン頼みですね」と、イライラしながら自分たちの力のなさを嘆く。
すると、禍特対の班長である田村君男(西島秀俊)が、「昔から人間、困ったときは神頼みだ。ウルトラマンが今もっとも神様に近い存在だ」と慰めるのだ。

以前、妻が「日本人のダメなところは、何でも自分自身で解決しようとするのではなく、いつか誰かが何とかしてくれるだろうと思っているところ。これは、ウルトラマンの影響があるのではないかと思う。子供の頃からウルトラマンを見て育って、そんなメンタルになっているのではないか」と指摘していたのだ。

もちろん、日本人は昔から、「蒙古襲来時に神風が吹いた。だからいざとなったら神風が吹く」とか、江戸時代の庶民には「お上意識」が身についていたりしたので、妻の指摘が100%正しいとは思わない。
ただ、少しはそんなところもあるのかなと思ったわけである。

それはさておき、「シン・ウルトラマン」はなかなかおもしろい作品でした。
ウルトラマン好きの方は是非ご覧下さい。

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