第49回  今日は荷風忌

4月30日、今日は作家の永井荷風の忌日である。
永井荷風は、1879年(明治12年)に生まれ、1959年(昭和34年)の4月30日に亡くなった。
個人主義を貫いた変人作家だった。

私は荷風の熱心な読者ではないが、荷風の生き方に共感する。
戦時中、時局に迎合した文学者が多かった中、荷風は時局に流されず、個人主義を貫き、発表のあてのない作品と日記『断腸亭日乗』を書き続けた。 荷風の日記である『断腸亭日乗』、「断腸亭」は荷風の別号、「日乗」は日記のこと。
荷風はこの日記を、38歳から79歳の死の前日まで書き続けた。最後の頃の日記はメモ程度であった。
以下が死の前日の日記。

四月廿九日。祭日。陰。

一人暮らしの孤独死だった。

今日は、『断腸亭日乗』と『荷風俳句集』を読んで過ごそうと思う。

第48回 宮島未奈著『成瀬は天下を取りにいく』

宮島未奈著『成瀬は天下を取りにいく』(新潮社)を読む。
この本には、「新潮社主催の新人賞で史上初の三冠に輝いた」作品である「ありがとう西武大津店」を含む、計6作品が収められている。

舞台は滋賀県大津市。
主人公は、強烈な個性を持つ「成瀬あかり」。
彼女の周辺の人物が、それぞれの視点で、中2の夏から高3の夏までの「成瀬あかり」を語るという形式で物語はすすんでゆく。

成瀬あかりは、とにかくマイペース。
周囲の目など気にせずに、それが成功するかどうかも気にせずに、やりたいことをやっていく。
彼女の圧倒的な行動力に周囲は影響され、なぜか元気になってゆく。

本の帯には、小説家、マンガ家、芸人やアーティストなど、各界から熱いコメントが寄せられている。
確かに、それも納得の最高の青春小説なのだ。

残りまであと10ページという感動のところで、妻がいろいろと話しかけてきた。
適当に相槌を打ちながら読んでいたが、我慢できなくなり、「お願い、あと少しで終わるから本に集中させて」と頼み、ラストシーンを味わった。
涙を流しつつ、本を閉じた。

本のカバー(イラスト)が、西武大津店をバックにして、埼玉西武ライオンズのユニホームを着た成瀬あかりというのも、ライオンズファンの私としてはうれしいところ。
「私の2023年度のベスト10」候補作品であることは間違いない。

是非、中学生、高校生、大学生、そして人生に疲れ気味の大人たちにも読んで欲しい。
読んで絶対に損はしないし、本当に元気が出るから。
映画化して欲しいし、大学生になった成瀬あかり、社会人になった成瀬あかりも見てみたい。
続編を期待する。

第47回  野球観戦に最適な季節と天気は?

4月9日(土)に、第76回春季県高校野球大会の1回戦、真岡高校対小山高校の試合(清原球場)を観戦した。
今春当塾を卒業生したH君が1年生ながらベンチ入りして、ブルペンで投手の球を受けていた。
なかなか風格があって、今後がとても楽しみだと思った。
また、応援にいらしていたH君のお母さんにも声をかけていただき、短い時間だったが楽しく会話をさせていただいた。

試合は、残念ながら1-6で負けてしまったが、真岡高校の選手たちには、課題を見つけて、夏の大会に向けてがんばって欲しいと思う。
ちなみに、真岡高校の監督であるK先生は、次男の高3時の担任で、たいへんお世話になった。

この日の天気はとても悪かった。
寒くて、雨が降っていて、選手たちも大変だったと思う。
スタンドで応援している野球部員や保護者も雨に濡れて大変だったはずだ。
この日は1回戦ということもあり、観客が少なかったので、私は傘をさして(合羽も着て)観戦していたが、観客が多いと他の観戦者の迷惑になるので傘をさせない。
雨の日の野球観戦は、正直、行くのを躊躇してしまう。
というか、基本、行かない。

野球観戦の最適な季節と天気はどんなものだろうか?
私は、新緑が美しくなる4月中旬から梅雨入り前までの季節と、秋晴れの日、青空のもとで行われるデーゲームが好きだ。
風薫る5月や赤とんぼが飛んでいる秋空のもとでの試合は最高だ。
午後1時か2時開始がいい。
観客はあまり多くない方がいい。
気分によって自由に席を移動できるくらいの余裕が欲しい。
コロナ禍の中で、プロ野球の試合は基本全席指定になってしまったのはとても残念。

野球観戦日和といえば、昔の日本シリーズである。
昭和から平成初期のプロ野球の日本シリーズは、秋空のもとで行われていたのだ。
私は一度だけ、秋空のもとでの日本シリーズを観戦したことがある。
1990(平成2)年の西武対巨人(西武球場)を友人のOとMと私の3人で観戦した。
チケットはOとMが、試合前日に徹夜して並んでとってくれた(ありがとね!)。
何戦目を観戦したのかは忘れてしまったが、この年の日本シリーズは西武が4勝して圧倒的な強さを見せたシリーズだった。
あの頃の西武球場(現、ベルーナドーム)には屋根はついていなかった。
今のベルーナドームよりもずっと広く感じたものだ。

現在、日本シリーズは営業面を考えてすべてナイトゲームになってしまった。
10月下旬や11月のはじめに、寒い中で屋外で行われるナイトゲームは最悪だと思う。 さて、今年は理想のコンディションで何試合観戦できるか?
今から楽しみにしている。

第26期生 保護者様の声

第26期生の保護者様(2名様)が、お子様の成長、中学校卒業や志望校合格の喜びなどをお寄せ下さいました。
心温まる当塾との思い出なども書いていただきました。お忙しい中、本当にありがとうございました。
なお、掲載順は塾生の入塾順です。


「親子二世代」(C様)                             

私自身も、第四期卒業生で親子でお世話になりました。
息子が幼稚園前まで他県に住んでおり益子町に戻って来た時に、塾に入れるなら尚朋スクールとずっと思っていたので、他の塾の下調べなど一切せず息子が六年生の時に入塾しました。
私が通っていた頃と変わらず、アットホームな雰囲気で迎え入れて頂きいつも親身に指導して頂きました。
受験の年の冬休み、息子が急に食欲がなくなりほとんど食べられない状態が何日か続きました。風邪症状もなく、コロナ陽性でもない、本人の受験のプレッシャーなのか?
原因が分からず塾長に相談しました。すぐに息子と話をしてくれ本人も安心したからなのか食欲も戻り無事に冬期講習を終える事ができました。
あの時、息子が元気になれたのは尚朋スクールが息子にとって心を開ける家以外の居場所であったからだと思います。
ステキな塾長夫妻に出会えたことに感謝しています。  
今まで本当にありがとうございました。


「尚朋スクールでの出会いに感謝」(K.I母(B)様)

尚朋スクールでは、子供たち2人が、大変お世話になりました。
尚朋スクールは、勉強以外にも一人ひとりの生徒や保護者の立場にたった指導でしたので、
先生方の子供たちへの丁寧な対応と保護者への熱心な関わりは、本当にありがたかったです。三者面談会で直接話をすることで、保護者とのコミュニケーションを大切にしている先生方の思いがよく伝わりました。
子供たちは尚朋スクールに行くのが生活の一部となり、上の子は受験前は、授業がない日も毎日自習に通っていました。下の子も、テスト前はよく自習に通っていました。
我が子の成長に関わっていただき、先生方の存在は、とても心強かったです。心配なことがあれば、勉強のこと、受験のこと、子育てのことでも、何でも相談にのっていただけるという安心感がいつも心にありました。
尚朋スクールを通して、目標に向かって共に同じ時間を過ごしていく仲間が出来たことは、受験を乗り切る精神的な支えになったと思います。私も子供も、平常心で受験の日を迎えることができ、子供が試験当日の朝、元気に自信を持って試験に出かけていく姿をみて、とても頼もしく感じました。尚朋スクールで学んだこと、先生方の日ごろの熱心なご指導のおかげです。
もう尚朋スクールに通えなくなるのは寂しい気持ちもありますが、ご指導いただいたことはいつまでも忘れません。塾を卒業し、保護者が寂しいと感じてしまうのは、それだけ尚朋スクールの先生方の思いが、子供を通して保護者にもしっかりと伝わったのだと思います。
子供たちには、尚朋スクールの卒業生であることに自信と自覚を持って、自分の夢の実現に向けて、これからも努力していってもらいたいと思います。
尚朋スクールでの出会いに感謝致します。本当にありがとうございました。

第46回  自信作

真岡に行ったついでに、行屋川水辺公園を歩いてきた。
言わずと知れた桜の名所である。

すでに桜のピークは過ぎ、散り始めていて、行屋川の水面にはたくさんの花びらが浮かんで、ゆっくりと流れていた。
この様を「花筏」という。

この様子をスマホで撮影し、川沿いを散策していたら、なかなか良い句が浮かんできた。
するするとできて、「これは傑作だ!」と思った。
「自分で言うな」という突っ込みが入りそうだが、本当に自信作ができたのだ。
傑作というものは、往々にしてすっとできるものなのである。
数年に一回あるかないかのことなのだが。

さっそく、LINEで妻と長男(社会人)と次男(大学生)に写真と俳句を送った。
妻からはすぐに、ギャグマンガ「磯部磯兵衛物語」のスタンプがきた。
磯部磯兵衛が親指を立てて「ぐっ!」とやっているスタンプ。

長男からは夜に、「何これ?」と返信が来たので「俳句」と言ったら、しばらくして「いい俳句だね」と返信がきた。

次男からは深夜に、「芭蕉?」と返信がきたので、「○○○○(私の俳号)」と返しておいた。私は、親指を立てて「ぐっ!」とやった。

ちなみに、妻が私の俳句を褒めることはあまりない。
その妻が褒めたくらい、今回の俳句はなかなかに良いできなのである。
野球でいったら、三塁打くらいかな。

今すぐここで紹介したいのだが、その前に新聞(ブロック紙)に投句してからにしようと思っている。
ここで発表してしまうと、未発表作品ではなくなってしまうので。
(新聞や雑誌、結社誌などに投句できるのは未発表作品のみ)。

というわけで、結果が出たらブログ内で発表します。
もしボツだったら、来年のこの時期に発表したいと思います。

いや、本当に自信作なのですよ。