第74回 多井学著『大学教授こそこそ日記』

2024年の最初に読了した本は、多井学著『大学教授こそこそ日記』(三五館シンシャ)である。

この本は「汗と涙のドキュメント日記シリーズ」の1冊で、それぞれの業界で働く仕事人が、リアルな実態を包み隠さず書くという、とても興味深い本だ。
もちろん、みんなペンネームを使用している。

多井学さん(仮名)は1961年生まれ。
日米の大学を卒業後、カナダの大学院で修士号を取得。
大手銀行を経て、短大の専任講師、某国立大を経て、現在、関西私大のKG大(関西学院大学)に勤務している現役教授である。

研究者になるまでの苦労(大学の専任教員になるのはギャンブルに近い)、弱小オーナー短大の労働条件の悪さ、大学内部の問題など、ユーモアと自虐ネタを込めてリアルに紹介してくれている。
興味深い内容で一気に読んだ。

しかし、ラストは本当に悲しく、しみじみとした内容で、生きる悲しみのようなものがひしひしと伝わってきた。

三五館シンシャの「汗と涙のドキュメント日記シリーズ」の魅力。
それは、社会人は、失敗も成功もあるが、それぞれの分野で、喜びや悲しみを味わいながら、一生懸命に働き、精一杯生きているということが伝わってくるところだ。

是非、若い人たちにも読んで欲しいシリーズなのである。

第73回 元日から大変なことに

2024年は元日から大変なことが起こってしまった。
能登半島地震である。

お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈り申し上げます。また、被災された皆様に対して、心よりお見舞い申し上げます。
皆様の安全と、一日もはやい復興をお祈り申し上げます。

地震が起こるたびに、いつも原発が心配になる。
こんなことを心配するのは本当に嫌なものだ。

最新のニュースによると、石川県志賀町にある志賀原子力発電所は、外部から電気を受け取る系統が現在も使えない状況が続いているようだ。

約1か月前、経団連の十倉雅和会長が稼働停止中の北陸電力の志賀原発を視察し、「一刻も早く再稼働すべきだ」とコメントした。
もし、十倉会長が言うように原発を再稼働していたらと思うとゾッとする。

日本は東日本大震災とそれに伴う福島第一原発事故を経験している。
原発事故が起こってしまったら、その後どれほど大変かということは分かっているはずなのだ。
それなのに、国は原発を再稼働し、積極的に原発を活用しようとしている。
これは大きな間違いだ。

福島第一原発事故の処理はまったく進んでいないのである。
そもそも地震大国日本に原発が50基以上あるというのは異常なことなのだ。

原発は人間には制御できないものである。
国と電力会社は、もう一度福島第一原発事故を思い出し、原発廃止の政策を進めて欲しいと思う。

 当ブログの読者の皆様。
2024年もよろしくお願い申し上げます。