E.H.カー(1892~1982)の『歴史とは何か』(清水幾太郎訳、岩波新書)は、はるか30数年前、学生時代に読んだ。
「史学科の学生なら読まなければならない本、読んで当然」と言われていたので、古本屋で100円で買って読んだのだ。
読んだけれども、中身はほとんど残っていない。
せいぜいが以下の一文である。
歴史とは歴史家と事実との間の相互作用の不断の過程であり、現在と過去との間の尽きることを知らぬ対話なのであります。
この『歴史とは何か』の新訳が2022年に出たので、手に取ってみた。
近藤和彦訳の新版は371ページの大著。
実は、興味を持って読んだところは今回新たに付け加えられたカーの「自叙伝」と「略年譜」だった。
今回も、分かったようで分からない。
30数年前に読んだ時と同じような感想というところが情けない。
本当に、歴史とは何なのだろう?