第98回 ゴールデンウィーク2024

ゴールデンウィークが始まった。
きょうから3連休、そして5月3日から4連休である。
人によっては10連休という人もいるだろう。
その一方で、ゴールデンウィークは仕事、稼ぎ時という人もいるはず。
大型連休中もお仕事のみなさま、お疲れさまです!

私は、ゴールデンウィークは以下のことをしたいと思っている。

読書(写真)、職場の草刈り、仕事(たまった経理作業や塾通信・合格特集号の編集作業、職場の大掃除など)、本の整理、書斎(ごみの部屋)の掃除など。


長男と次男が帰省するので、昨年亡くなった父を偲んでの追悼BBQをすることになっている。
父は昨年のゴールデンウィークに家族でBBQをした後、すぐに入院、施設へ入居することになった。

結局、家に戻ることはなく、10月に他界してしまったのだ。

明日は、大学の先輩ご夫妻が益子町の陶器市にいらっしゃる。
そして、職場(塾)で再会することになっている。
先輩と直接お会いしたのは20年近く前になるだろうか。
お会いできるのを楽しみにしている。

予定がつけば、高校野球も観戦したい。
また、しもだて美術館で開催中の「みうらじゅんFES マイブームの全貌展」にも行きたい。

やりたいこと、しなければならないことはたくさんある。
それでも、そのうちの7割できれば十分だ。

みなさま、すばらしいゴールデンウィークをお過ごし下さい!

◆お知らせ◆
当ブログ「塾長の気まぐれ日記」がもうすぐ100回目を迎えます。
100回を記念して、プレゼント企画を行います。
詳しくは、「塾長の気まぐれ日記」の100回目で発表します。

第97回 永井紗耶子著『きらん風月』

永井紗耶子著『きらん風月』(講談社)を読む。

主人公は江戸時代中期の文化人、栗杖亭鬼卵(りつじょうていきらん)。
私は、この小説を読むまで鬼卵のことは知らなかった。

鬼卵は、60歳を過ぎてから精力的に戯作を発表した人物で、その交友関係、文人墨客たちとの関係は広い。
作品には、絵師の円山応挙や読本作者の滝沢馬琴、儒学者の海保青陵など、歴史の教科書に出てくるような人物も出てくる。

老中を辞め、家督を譲った松平定信が、お忍びで掛川にいる鬼卵を訪ねてくる。
そして、鬼卵と定信は長時間語り合う。
それは、鬼卵のこれまでの人生を振り返ることでもあった。

松平定信は、老中となり、寛政の改革を行った。
定信が、綱紀粛正や出版統制をしたことで文化人を追い詰め、文化を潰し、庶民を萎縮させたということは、中学校の歴史でも勉強する。

鬼卵は、眼の前の人物が松平定信であると知った上で(本人は認めないが)、定信の行った政治を痛烈に批判する。
定信はむっとするものの、最後は苦笑いをしつつ、鬼卵と別れる。

作品中、きらりと光る言葉がたくさんあった。
以下、3つほど挙げておく。

「縁いうもんは繋がるけれども切れるのも一瞬。それを繋ぎ続けられる者は信じるに足る人やて、お互いに思ってるからや。そして、信用は金にも勝るからな」

「暇を潰すだけで生きるには、人生は長い」

多くの出会いが、いつも背を押してくれた。

『きらん風月』、ハードカバーで300ページ以上の作品であったが、あっという間に読んでしまった。
星5つ(5個中)の作品である。
永井さんの他の作品も読んでみたいと思う。

第96回 地震のたびに

4月17日の午後11時14分頃、豊後水道を震源とする地震があり、愛媛県と高知県で最大震度6弱の揺れを観測した。

今年は1月1日に能登半島地震があった。
その後の大地震である。

大地震があるたびに原発が心配になる。
今回の震源付近には伊方原発(愛媛県)がある。
報道によれば、伊方原発3号機で地震が原因とみられる異常が見つかったが、運転に影響はないということだ。

しかし、大地震後の原発に関しては、いつも最初は「問題ない」「異常なし」なのである。
その後、かなり時間が経ってから、「実は重大な事故があった」と報道されることも少なくないのだ。

2011年3月11日に福島第一原発事故が起こった。
その事故処理は進んでいないし、今後の見通しも立っていない。
それなのに、国と電力会社は、原発再稼働、原発新増設に舵を切った。

4月15日、東京電力は、新潟県にある柏崎刈谷原発7号機の原子炉内核燃料を入れる装填作業を開始したと発表した。
「地元の同意のないまま」に、再稼働の準備を始めたのである。

地震大国の日本に原発は危険すぎる。
福島第一原発事故の教訓を忘れ、原発再稼働、原発の積極活用に進む姿勢が信じられない。

この国はどこへ向かおうとしているのだろうか?

第95回 春の新聞週間に

4月6日から一週間は「春の新聞週間」だった。
ということで、過去に書いた拙文を紹介します。
以下は、2023年の東京新聞(9月21日朝刊)に掲載されたものです。

「権力に忖度しない新聞であって」

10日社説で、桐生悠々が紹介されていた。この日が悠々の命日だとは知らなかった。

世の中が軍国主義に傾いてゆく中、悠々は在郷軍人会の圧力で職場を追われながらも、個人誌「他山の石」を発行して言論活動を続けたという。困難な状況にめげず、国民に真実を伝えようとしたことは相当勇気が要ったはずだ。あの時代の日本に桐生悠々がいたことに勇気づけられる。

社説には「『言いたいこと』ではなく、権力者に対して『言わねばならないこと』を言い続けることが新聞などの言論の役割なのです」と書かれていた。まさにその通りだ。

残念ながら、いつの間にか日本では権力者に忖度する報道ばかりになってしまった。コロナ禍で、その流れはさらに加速したと感じる。大手メディアの報道だけでは、日本で今起こっていることや問題点は分からないだろう。SNSを利用して自ら正しい情報を得ようとしている人と、権力に忖度した報道を垂れ流すテレビや新聞に触れているだけの人とでは、見えている世界がかなり違っているのではないだろうか。

新聞離れが言われて久しい。その背景には、新聞自体が金を払ってまで読む価値がなくなってしまったことあるのではないか。

そのような中、東京新聞はジャーナリズム精神を失っていない数少ない新聞だと信じている。これからも東京新聞には「権力におもねらない新聞」であってほしいと思う。

第94回 2024年本屋大賞

4月10日の今日、「2024年本屋大賞」が発表された。
私の予想通り、そして私が応援していた宮島未奈さんの『成瀬は天下を取りにいく』(新潮社)に決定した。

宮島さん、おめでとうございます!

今年の1月に、成瀬あかりシリーズ第二弾『成瀬は信じた道をいく』(新潮社)が発売された。
この本では、主人公の成瀬あかりは大学生(京大生)になり、さらに我道を進んでいる。そして、成瀬と関わった人たちを良い方向に変えてゆく。

今から続編を期待している。
是非、このシリーズを続けて欲しい。
社会人になった成瀬あかりを、中年になった彼女を見てみたい。そして、元気をもらい。

宮島さん、よろしくお願い致します!

※当ブログ48回で『成瀬は天下を取りにいく』の感想を書きました。

第93回 真岡新聞休刊

4月4日の下野新聞に、真岡新聞休刊の記事があった。
その日、当塾には真岡新聞社から休刊を知らせる封書が届いた。

当塾は真岡新聞社とは長いつき合いがあった。
毎年2月の「塾特集」には参加していた。
また、新聞の折込チラシをお願いしていた印刷会社が東日本大震災後に倒産した後は、真岡新聞社を通してチラシの作成、印刷、配付などの手配などをお願いしていた。
長いつき合いがあった会社がなくなってしまうのは非常に残念である。

真岡新聞は1983年に創刊され、3月29日に2000号を迎えた。
その2000号を区切りとして休刊を決め、41年の歴史に幕を閉じたのである。

紙の新聞社はどこも苦戦している。
これも時代の流れなのかもしれない。


私は紙の新聞が大好きで、東京新聞と下野新聞の2紙を購読し、毎日楽しみに読んでいる。
しかし、一般的にはそうではないようだ。

真岡新聞は、地元の話題や催しのニュース、求人広告が中心の新聞だった。
そんな新聞を楽しみにしていた人たちも少なくなかったと思う。

真岡新聞休刊を知って、これまで関わってきた真岡新聞社の方々、Tさん、Yさん、Iさん、Hさんなどの顔が浮かんできた。
真岡新聞社のみなさま、これまで本当にお世話になりました。