第106回 尾崎俊介著『アメリカは自己啓発本でできている』

最近話題になっている本、尾崎俊介著『アメリカは自己啓発本でできている』(平凡社)を手にとってみる。

尾崎俊介さんの専門はアメリカ文学・アメリカ文化。
そんな著者がアメリカの自己啓発本の研究を始め、まとめたのがこの本だ。

「自己啓発本」はアメリカと日本でくらいしか読まれていないようだ。
この本では、アメリカでの自己啓発本の歴史、有名な本などが紹介されている。
著者は「自己啓発本」の魅力を熱く語っている。

著者は、兼好法師の『徒然草』、内村鑑三の『代表的日本人』、赤瀬川原平著『老人力』、野村克也著『野村ノート』、落合博満著『采配』なども自己啓発本と考えているようだ。
この点は疑問に思った。
これらの本も「自己啓発本」と考えるなら、確かに自己啓発本もおもしろい。

私は「自己啓発本」を10冊読むよりも、名著と言われる文学を1冊読んだほうが、長い目でみれば得られるものは多いと感じている。
ただし、文学には即効性はないのだが。

「所詮、自己啓発本はカンフル剤でしかない」というのが私の意見だ。
こんなことをいうと、自己啓発本が大好きな人には怒られてしまうかもしれない。

年表「アメリカ・日本の自己啓発本」と「参考/引用文献」一覧は資料として有用である。

第105回 松井監督休養について

昨日、埼玉西武ライオンズの松井稼頭央監督の休養が発表された。
監督就任2年目、シーズン途中での実質「解任」である。

FAによる戦力流出、新外国人選手の不調など、今年のライオンズはいろいろと問題があった。松井監督を擁護する声もあるが、私は今回の解任は当然だと思う。

松井監督は人柄がよく、優しい監督だったようだ。選手に対して自主性を重んじていた。
しかし、「厳しさ」が足りなかった。
勝てた試合を落とすことも多かった。
今シーズンのライオンズはチームに活気がなく、最悪の状態だった。

昭和の野球の名門校・PL学園出身の名選手は、監督には向かないのではないか?
最近、そんなことを考えている。

渡辺久信GMが監督代行に就いた。
明日からセ・パ交流戦が始まる。
気持ちを切り替えて、がんばって欲しいと思う。

写真は、5月18日(土)に小山運動公園野球場で行われた栃木ゴールデンブレーブス戦(ライオンズは三軍)。
この中から一軍で活躍するが何人いるか?
期待したい。

第104回 永井紗耶子著『旅立ち寿ぎ申し候』

永井紗耶子著『旅立ち寿ぎ申し候』(小学館)を読む。

永井作品を読むのは『きらん風月』につづいて2作品(2冊目)。

『旅立ち寿ぎ申し候』は永井さんの初期作品で、現在は『福を届けよ ~日本橋紙問屋商い心得』と改題され、小学館文庫で出ている。

主人公は幕末の若き商人・勘七。
桜田門外の変(1960)をはじめとした幕末の動乱の中、勘七は悩みながらも懸命に生きる。そして、立派な若き商人として成長する。

友の死、友情、恋、そして仕事と、内容は現代に通じる。

実在の人物である勝海舟が登場し、勘七と交流する場面も良かった。

以下、印象に残った文。

商いは、苦しむためにやるものじゃないよ。それを暮らしの糧として、日々を楽しむためのものだ。

紀之介さんは、人を不幸にしません。人を幸せにして、己も幸せになれる。そういう人を見ていると、私はとても安らぐんです

今、ここに至るまで私が商人として残っているのは、運と縁の賜物としか申せません

そして、近江商人の有名な経営哲学、「売り手よし、買い手よし、世間よし」

自営業の私としては共感する文が多かった。

すっかり永井紗耶子のファンになってしまった。

今は、第169回(2023年度)の直木賞受賞作、『木挽町のあだ討ち』(新潮社)を読んでいるが、これが非常におもしろいのである。

第103回 「みうらじゅんFES マイブームの全貌展」

ゴールデンウィーク中、しもだて美術館で開催中の「みうらじゅんFES マイブームの全貌展」へ行ってきた。

みうらさんはイラストレーターだが、その仕事は一分野にとどまらない。
氏のオタクぶりは幼少期から始まる。

今回の企画展は、「スマホでの撮影OK」という太っ腹ぶり。
そんなわけでたくさん撮影してきた。

入館すると遺影でのお出迎えで、最初から笑ってしまった。

子供時代からおそろしいほどの収集癖、さまざまな分野のスクラップ、自作のマンガやエッセイ集など、変人・変態ぶりに感動してしまった。

約2時間、みうらじゅんさんの全貌を堪能してきた。

これだけの収集物(もちろん、今回展示されたものは氏の収集物の一部)を保管しておくためには相当のスペースが必要だし、お金もかかっているのだろう。
そう考えたら、ますます感動した。

みうらさんのますますのご活躍をお祈り致します!

第102回 階段に手すりをつけました!

昨日、階段に手すりをつけました。

既製品ではありません。
大工さんがアイディアを出して下さり、天然無垢材(ひのき)の世界で一つしかないオリジナル手すりです。
握ったときに優しい感じがして心地よく、また壁(天然無垢材)とも合っていて、とても素敵な手すりです。

塾生からも評判が良かったです。
最初に手すりを握った塾生は「なんかすごい!」と感動していました。

素晴らしい手すりを作って下さった大工さん、本当にありがとうございました!

階段に手すりをつけました

昨日、階段に手すりをつけました。

既製品ではありません。
大工さんがアイディアを出して下さり、天然無垢材(ひのき)の世界で一つしかないオリジナル手すりです。
握ったときに優しい感じがして心地よく、また壁(天然無垢材)とも合っていて、とても素敵な手すりです。

塾生からも評判が良かったです。
最初に手すりを握った塾生は「なんかすごい!」と感動していました。

素晴らしい手すりを作って下さった大工さん、本当にありがとうございました!

第101回 「真打ち競演」公開収録

5月12日、芳賀町民会館で行われたNHKラジオ「真打ち競演」公開収録に行ってきた。
学生時代のE君からお誘いがあったのだ。

E君は大学時代の同級生だ。
私たちは同じ史学科の学生で、E君は東洋史学専攻、私は国史学(日本史学)専攻だった。

E君は、子供の頃からの大の演芸好きだ。
大学1年生の時、E君は私が落語に興味があるということを知り、寄席(吉池土曜落語会)に連れていってくれた。
それ以降、E君とは学生時代に何度も一緒に寄席に行った。また、私は一人でも寄席に通うようになった。
E君は、私に落語の楽しさを教えてくれた恩人なのである。

今回、E君の紹介で「真打ち競演」公開収録に応募したのだが私は落選した。残念だなと思っていたところ、E君から連絡があった。
E君は当選して、私を誘ってくれたのだ。

当選の確率は約3割だそうである。
彼は東京から電車とLRTとバスを乗り継いで芳賀町民会館にやって来た。

E君と直接会うのは何十年ぶりだろうか?
お互いに「歳をとったね」と笑いつつ、会場に入る。

当日は放送2回分を収録した。
いつも2回分収録するらしい。

1本目(6月1日放送)の出演者は、コント山口君と竹田君、ぴろき(ウクレレ漫談)、春風亭一之輔の各氏。
一之輔師匠の落語は「天狗裁き」。

2本目(6月8日放送)の出演者は、弁財亭和泉、三拍子(漫才)、柳亭市馬の各氏。
市馬師匠の落語は「片棒」。

それぞれの持ち時間はたっぷりあり、中身の濃い芸だった。
正直なところ、1本目だけでも大満足だった。

E君とはせっかくの再会だったので、食事をしながらゆっくりと話をしたかったのだが、私は仕事(授業)があったので、収録後は急いで会場をあとにした。

一日たった後も、余韻に浸っている。
E君、お誘いいただき、ありがとうございました!

第100回 当ブログが100回目を迎えました!

おかげさまで、当ブログ「塾長の気まぐれ日記」が今回で100回目となりました。

第1回目のブログは2022年5月2日でした。
連載開始から約2年で100回目を迎えました。
ご愛顧いただきまして本当にありがとうございます。

無事100回目を迎えることができたことを感謝して、ささやかですがプレゼント企画を行います。

以下のクイズにお答え下さい。
正解者の中から10名の方に図書カード500円分をプレゼント致します。
奮ってご応募下さい。

◎ブログ100回記念クイズ◎

以下の空欄の中に正しい数字を入れて下さい。

尚朋スクールのブログ「塾長の気まぐれ日記」は、2024年5月11日で(   )回目を迎えました。

答えの分かった方は、答えと必要事項をご記入の上、以下の方法でご応募下さい。

記入事項

  1. クイズの答え
  2. ブログ「塾長の気まぐれ日記」の感想(必ずお書き下さい。)
  3. 名前(本名)、住所、電話番号、職業・学校名と学年
  4. 正解者の発表時のネーム(本名でも構わない場合は書かなくてOKです。)

応募方法

① 塾長とLINEがつながっている方はLINEでお送り下さい。

② 塾生は用紙(用紙は自由)に必要事項を書き、それを塾長に直接渡してくれてもOKです。

③ 上記以外の方は、塾のホームページの「お問い合わせフォーム」からお送り下さい。

締切日

6月9日(日)

当選者の発表

当ブログ上で発表します。


◆いただいた感想は当ブログ上で発表する場合があります。あらかじめご了承下さい。

今後もよろしくお願い申し上げます!

第99回 77回目の憲法記念日

5月3日は憲法記念日だった。
日本国憲法施行から77年目の憲法記念日である。

この日、届いた朝刊(東京新聞)をじっくりと読んだ。
東京新聞の一面は、弁護士の伊藤真さんによる第13条(個人の尊重)の解説だった。
社説も憲法について。その他にも憲法についての記事が多く、読み応えがあった。

翌日(5月4日)の東京新聞一面トップは「第10回目の護憲派の大規模集会」の記事。
さすがである。
なお、5月4日の下野新聞も2面に大きな記事があった。下野新聞もがんばっている。
全国紙はどのような扱いだったのだろうか?
後日、図書館で調べてみるつもりだ。

私は、日本国憲法は世界に誇れるすばらしい憲法だと思っている。
日本が80年近く戦争をしなかったのはこの憲法があったおかげだ。
世界の評価は非常に高いのである。

改憲勢力が目指している憲法草案を読むと、非常に恐ろしい。
国民の主権は失われ、言論の自由はなくなり、戦前のような社会になってしまう。
そして、時の政府による独裁が可能となってしまう。
ヒトラー率いるナチスドイツが行ったような社会になってしまうだろう。
「改正」ではなく、明らかに「改悪」だ。

とくに「緊急事態条項」が危ない。
「緊急事態条項」をコロナ禍の「緊急事態宣言」に毛が生えたくらいに思っている人も多いのだが、まったく別物であるということを知ってほしい。

「なんとなく憲法を改正した方がいい」と思っている人には、自民党の改憲草案と現在の日本国憲法を読み比べて欲しいと思う。

ロックミュージシャンの忌野清志郎さんに「善良な市民」(1993年)というすごい歌がある。
「泥棒が憲法改正の議論をしている」で始まる歌だ。
この歌、30年以上も前に作られた歌なのだが、今の日本は、この歌で歌われている社会とそっくり(危機的な状況という意味で)で怖くなってしまう。
是非、たくさんの人にこの歌を聞いてほしい。
そして、平和について、戦争について、憲法について考えてほしいと思う。

※日本国憲法は中学生が使用している公民の教科書にも載っています。

※写真は教科書『新しい社会 公民』(東京書籍)と『憲法を変えて戦争へ行こうという世の中にしないための18人の発言』(岩波ブックレット、2005年)