第120回 栃木大会決勝戦

1回表、国学院栃木が石橋の二人の投手から5点を奪ったとき、多くの人は「ワンサイドゲームになるだろう」と思ったのではないだろうか。

「やはり強豪私立の壁は厚い」「石橋は公立校ながらここまでよくやった」、私はそう思った。

しかし、石橋はここからがすごかった。
準決勝の作新学院戦で好投した入江投手が3番手としてマウンドに立ち、国学院栃木の攻撃を止める。
そしてその後の攻撃(2回裏)で4点を返し、終わってみれば9-8で優勝してしまったのだ。

夏の栃木大会、公立校の優勝は2005年の宇南以来の19年ぶりだそうだ。
学校創立100周年、甲子園球場会場100年の年に、全国大会初出場。
本当にすごいと思う。

石橋の福田博之監督(58)が指導する学校はいつも強かった。
高校野球の指導歴は30以上だという。そして、今回が初優勝。
試合中の表情、試合後の優勝監督インタビューから、人としてもすばらしい方なのだと感じた。

田口主将の号泣しながらのインタビューも良かった。
感動的な決勝戦だった。

石橋、そして国学院栃木の選手のみなさん、すばらしい試合をありがとう。
また、すべての栃木県の高校球児のみなさん、本当にお疲れさまでした。

石橋の選手のみなさん、甲子園での勝利を期待します。
悔いのないプレーをして下さい。

石橋のチアリーダーに所属する当塾の卒業生Aさん、甲子園を楽しんできて下さい。

※写真は、重松清著『熱球』(新潮文庫)。

第119回 東京新聞も購読料改定

7月17日の東京新聞の1面に、価格改定のお知らせがあった。
現在、東京新聞の購読料は1か月2,950円だが、9月から3,400円に改定されるそうだ。

2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻による資源高や円安の影響などで、用紙代や燃料費などの製作コストが大幅に値上がりしているのが理由だそうだ。

ここのところ全国紙の値上げも続いていた。昨年10月には下野新聞も550円値上げされた。

東京新聞の今回の値上げは仕方ないと思う。
これまで同様、「地域最安値」は堅持するそうだ。

心配なのは、今回の価格改定で購読を中止してしまう人が出てくることだ。
私の周囲では、下野新聞の昨年の値上げを機に、新聞の購読自体をやめてしまった人が何人かいたのだ。

ネットで、タダで情報が入る時代ではある。
全国紙は政府に対しての忖度記事が増え、高い金を払って読む価値がなくなってしまったという現実もある。

そのような中、東京新聞はジャーナリズム精神を失っていない数少ない新聞だと思う。
これからも、東京新聞を応援し、購読し続けるつもりだ。

最近、私の使っているLINEスタンプに、東京新聞140周年キャラクター「むぎゅ」が加わった。ちょっと気に入っている。

※写真は、7月22日の朝刊に折り込まれていた東京新聞からの案内。

第118回 マイブーム、仏教!

数年おきに「仏教」がマイブームとなる。
仏教関係の本はたくさん持っている。

中学校の修学旅行で仏像と仏教建築に魅せられてしまった。
「お坊さんになりたい!」と思ったこともあったが、もちろん自分は寺の子どもではないし、煩悩多き自分には厳しい修行や生活は無理だと思いあきらめた。

大学で鎌倉仏教を研究しようと思って史学科に進んだけれど、考えが変わって近現代史を専攻し、「明治期の師範学校」で卒論を書いた。

我が家の宗派は一遍が開祖の時宗。
学生時代は『一遍上人語録』でレポートを書いた。もちろん(?)評価は「A」。

昔好きだったものはいつになっても好きなもの。
寺巡りは続けていて、定期的に「仏教ブーム」が来る。
そして、今、「仏教ブーム」が来ている。

というわけで、今、写真の本を読んでいる。
再読のものも含む。

第117回 原田マハ著『板上に咲く』

原田マハ著『板上に咲く』(幻冬舎)を読む。

この作品は「史実に基づいたフィクション」である。

主人公は版画家の棟方志功。
ゴッホに憧れ、貧しい生活の中で創作に励み、柳宗悦や濱田庄司と知り合い、才能を見出される。そして「世界の棟方」となった。

私が棟方志功を知ったのは大学生の時だ。
青森県に一人旅をしたとき、青森市内の美術館(?)で棟方の作品を見た。
縦長の大きな作品「二菩薩釈迦十代弟子」に圧倒された。

棟方の作品を見ていると元気がでる。
久しぶりに昔買った棟方の作品集を出してきた。

熱い夏、棟方の版画を見て元気をもらおうと思う。

第116回 いよいよ開幕!

第106回全国高校野球選手権栃木大会が12日に開幕する。

当塾の複数の卒業生たちも、各高校の野球部でがんばっている。

卒業生のあるお母様は、レギュラー入りしたことを伝えて下さった。
また、別の卒業生のお母様は、ユニホームの写真(前と後ろ)の写真を送って下さった。
試合の放送予定の情報を教えて下さったお母様も。

夏の大会は、体調を考えてテレビとネットで観戦する予定。

私としては、全国大会よりも栃木大会の方が燃えるのだ。
そして栃木大会が終わると燃え尽きてしまう。

卒業生の高校球児のみなさん、そして全国の高校球児のみなさん、体調に気をつけて、熱い夏にして下さい!

※写真は、山際淳司さんの名作『スローカーブを、もう一球』(角川文庫)

201教室の黒板を新調しました

7月8日に201教室の黒板を新調しました。

201教室の黒板としては「3代目」です。

4年前、101教室の黒板(3代目)を新調し、その時とまったく同じ黒板ですが、値段が約1.6倍に値上がりしていました。
ここでも物価高を実感しています。

「3代目」の黒板でも、塾生たちに多くのことを伝えてゆきたいと思います。

第115回 201教室の黒板を新調しました

7月8日に201教室の黒板を新調しました。

201教室の黒板としては「3代目」です。

4年前、101教室の黒板(3代目)を新調し、その時とまったく同じ黒板ですが、値段が約1.6倍に値上がりしていました。
ここでも物価高を実感しています。

「3代目」の黒板でも、塾生たちに多くのことを伝えてゆきたいと思います。

第114回 本郷和人・島田裕巳共著『鎌倉仏教のミカタ』

歴史学者の本郷和人さんと作家・宗教学者の島田裕巳さんの対談集『鎌倉仏教のミカタ』(祥伝社新書)を読む。

お二人とも一般向けの本(新書)をたくさん書かれていて、私はけっこう読んでいる。
興味深い本が多く、毎回いろいろと勉強させていただいている。

このお二人による対談集、しかも私が興味のある「鎌倉仏教」がテーマということもあって、あっという間に読み終えてしまった。
副題に「定説と常識を覆す」とあり、まったくその通りの内容だった。

以下、とくに印象に残った部分。

中世には神と仏が混淆し、キリスト教神話にも匹敵する巨大で混沌とした精神世界が成立していた。だから鎌倉仏教は、宗派ごとにカテゴライズするのではなく、さまざまな要素が入り交じるものとしてとらえたほうがいい

(本郷氏、P208)

明治時代になって寺請制度がなくなり、廃仏毀釈なども起こり、各宗派は開祖が偉大な存在であるとアピールする必要に迫られます。そして、どんどん神格化され、存在が大きくなっていきました。

(島田氏、P215)

西洋には、連綿と続く哲学者の系譜がある。しかし日本には、残念ながらそのような人物が存在しない。だから開祖たちを持ち出して、その役割を担わせたわけですよね。

(本郷氏、P215)

そこからしても、やはり創作されたものだと思いますよ。宗派ができあがったことで、過去が変容させられているわけです。

(島田氏、P215)

宗教の教祖や開祖というものは、実はそんなものなのかもしれない。

お二人の対談の続きを読みたいと思った。