第155回 朝井まかて著『秘密の花園』

朝井まかて著『秘密の花園』(日本経済新聞出版)を読む。

『秘密の花園』は『南総里見八犬伝』の作者である曲亭馬琴(滝沢馬琴)が主人公の小説。

馬琴が苦労人というのは有名な話だ。
彼の妻は感情の抑制が難しく、しょっちゅう爆発的に怒ったりしていた。また、心の通じ合っていた長男は自分より先に他界してしまう。
馬琴自身が73歳で失明すると、長男の妻が口述筆記をすることで彼を助ける。
妻はそのことが気に入らず、不機嫌がさらに激しくなる。

版元とのトラブル、長男の死、自身の失明など、たくさんの苦難を乗り越え、約28年かけて『南総里見八犬伝』を完成させる。

そんな馬琴が主人公のため、『秘密の花園』はとても重苦しい作品だった。
そのせいか、読了するまで少し時間がかかってしまった。

ハードカバーで466ページある『秘密の花園』は、重厚感のある作品だった。

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