以下は下野新聞(2025年7月21日)に掲載された拙文です。
「男はつらいよ」 若い人ぜひ見て
先日の本紙に、映画監督の山田洋次さんの記事があり、強く共感した。私は「男はつらいよ」のファンで、年に数本は必ず見ている。この映画のストーリー構成はシンプルだ。フーテンの寅さんが旅先で恋に落ち、故郷の葛飾柴又や旅先で騒動を起こし、最後は失恋し、また旅に出るというもの。寅さんの含蓄あるセリフ、家族との酒宴、タコ社長とのけんかなど、楽しいシーンがたくさんある。
毎回お決まりの展開なのに何度見ても飽きない。見終わった後はいつも温かい気持ちになれる。それは、登場人物たちがけんかはしても常に相手を思いやる気持ちがあるからだろう。
作品には濃密な人間関係が存在している。時代は変わっても、人間の本質的な部分は変わらないはずだ。ぜひ若い人たちにもこの名作シリーズを見て、何かを感じてほしいと思う。