以下は下野新聞(2025年12月10日)に掲載された拙文です。
鯛山作品を再読 生き方問い直す
先日の本紙「論説」に、医師で作家の見川鯛山先生のことが書かれていた。今年は没後20年に当たるそうだ。
約20年前、私は新聞で鯛山先生のことを知った。2005年11月に、宇都宮のギャラリーで追悼展「見川鯛山センセイの世界展」があった。そこで鯛山先生の直筆原稿や愛用品、写真などを見た。万年筆で原稿用紙に書かれた文字は味わい深かった。この時、鯛山先生の本を数冊買い求め、鯛山作品を読むようになった。
鯛山先生の作品は5~10ページ程度の短編で、最後にちょっとしたオチがある。那須の大自然、そこで生きる人々との交流などがユーモアあふれる筆致で書かれている。 「論説」で書かれていたように、鯛山作品は現代の生き方を問う契機になるだろう。久しぶりに再読して、そのことを実感した。

