部活、クラス、仲良しグループ、みなさんはそういった集団に属していますね。その仲間たちといるとき、なんとなく、その場にいない友達のAさんの悪口が始まってしまうことはありませんか? あなたは、Aさんのことをさほど嫌いでもないのですが、他の何人かがAさんの悪口を言っています。さて、あなたはどうしますか? 仲間の話を聞いているうちに、自分もAさんのことを悪く思ってしまったりして、他の仲間と一緒になってAさんの悪口を言ってしまうという人、少なくないのではないでしょうか。
また、こんなことはありませんか? ある集団で、やはり、友達のB君の悪口を言い合っていました。C君は、B君のことをずいぶん悪く言っていました。そのC君が、用事があって家に帰る時間になりました。「じゃ、オレ帰るから。またね」と言ってC君はその場を去りました。すると今度はD君が、「Cってさー」と言ってC君の悪口を始めました。そして、いつの間にか、そこはC君の悪口を言い合う場となってしまいました。
C君の悪口を言い始めたD君も、「塾があるから、オレ帰る」と言ってその場を去りました。しばらくすると、残った者たちは、D君の悪口を始めました。E君は、本当は自分も家に帰らなければならない時間なのですが、この場を離れると、今度は自分の悪口が始まるのではないかと心配で帰ることができません。
このようなこと、経験したことはありませんか?
「その場にいない誰かの悪口で盛り上がる」というのは、仲間の結束を強めるという側面があります。不安定な人間関係の中で、誰か一人の悪口を言い合うことで仲間になった気がするのです。しかし、そのようなマイナスの要因で結びついている仲間は、良い友達といえるでしょうか? そのような集団に属していれば、あなた自身もダメになってしまうと思います。人相が悪くなる、性格が悪くなる、行動が悪くなる、考え方が暗く陰険になる、などなど。そして、ダメな者同士が集まり、さらに悪い方向へすすんでゆきます。
口を開けば友達の悪口ばかり言っている人は、信用できないと思ってまず間違いありません。だって、そんな人は、明日にはあなたの悪口を言っているかもしれないのですから。
ここまで読んで、ドキリとした人へ(いや、ドキリとしない人の方が少ないのではないでしょうか)。
今からでも遅くありません。これから、友達の悪口を言わないようにしてみましょう。それが一日二日と続き、一か月続いたとき、あなたの人生は絶対に変わりますから。嘘じゃありませんよ。私も経験者ですから。
『Step By Step 2月号 第105号』(2007年2月5日発行)より