第48回 宮島未奈著『成瀬は天下を取りにいく』

宮島未奈著『成瀬は天下を取りにいく』(新潮社)を読む。
この本には、「新潮社主催の新人賞で史上初の三冠に輝いた」作品である「ありがとう西武大津店」を含む、計6作品が収められている。

舞台は滋賀県大津市。
主人公は、強烈な個性を持つ「成瀬あかり」。
彼女の周辺の人物が、それぞれの視点で、中2の夏から高3の夏までの「成瀬あかり」を語るという形式で物語はすすんでゆく。

成瀬あかりは、とにかくマイペース。
周囲の目など気にせずに、それが成功するかどうかも気にせずに、やりたいことをやっていく。
彼女の圧倒的な行動力に周囲は影響され、なぜか元気になってゆく。

本の帯には、小説家、マンガ家、芸人やアーティストなど、各界から熱いコメントが寄せられている。
確かに、それも納得の最高の青春小説なのだ。

残りまであと10ページという感動のところで、妻がいろいろと話しかけてきた。
適当に相槌を打ちながら読んでいたが、我慢できなくなり、「お願い、あと少しで終わるから本に集中させて」と頼み、ラストシーンを味わった。
涙を流しつつ、本を閉じた。

本のカバー(イラスト)が、西武大津店をバックにして、埼玉西武ライオンズのユニホームを着た成瀬あかりというのも、ライオンズファンの私としてはうれしいところ。
「私の2023年度のベスト10」候補作品であることは間違いない。

是非、中学生、高校生、大学生、そして人生に疲れ気味の大人たちにも読んで欲しい。
読んで絶対に損はしないし、本当に元気が出るから。
映画化して欲しいし、大学生になった成瀬あかり、社会人になった成瀬あかりも見てみたい。
続編を期待する。

第47回  野球観戦に最適な季節と天気は?

4月9日(土)に、第76回春季県高校野球大会の1回戦、真岡高校対小山高校の試合(清原球場)を観戦した。
今春当塾を卒業生したH君が1年生ながらベンチ入りして、ブルペンで投手の球を受けていた。
なかなか風格があって、今後がとても楽しみだと思った。
また、応援にいらしていたH君のお母さんにも声をかけていただき、短い時間だったが楽しく会話をさせていただいた。

試合は、残念ながら1-6で負けてしまったが、真岡高校の選手たちには、課題を見つけて、夏の大会に向けてがんばって欲しいと思う。
ちなみに、真岡高校の監督であるK先生は、次男の高3時の担任で、たいへんお世話になった。

この日の天気はとても悪かった。
寒くて、雨が降っていて、選手たちも大変だったと思う。
スタンドで応援している野球部員や保護者も雨に濡れて大変だったはずだ。
この日は1回戦ということもあり、観客が少なかったので、私は傘をさして(合羽も着て)観戦していたが、観客が多いと他の観戦者の迷惑になるので傘をさせない。
雨の日の野球観戦は、正直、行くのを躊躇してしまう。
というか、基本、行かない。

野球観戦の最適な季節と天気はどんなものだろうか?
私は、新緑が美しくなる4月中旬から梅雨入り前までの季節と、秋晴れの日、青空のもとで行われるデーゲームが好きだ。
風薫る5月や赤とんぼが飛んでいる秋空のもとでの試合は最高だ。
午後1時か2時開始がいい。
観客はあまり多くない方がいい。
気分によって自由に席を移動できるくらいの余裕が欲しい。
コロナ禍の中で、プロ野球の試合は基本全席指定になってしまったのはとても残念。

野球観戦日和といえば、昔の日本シリーズである。
昭和から平成初期のプロ野球の日本シリーズは、秋空のもとで行われていたのだ。
私は一度だけ、秋空のもとでの日本シリーズを観戦したことがある。
1990(平成2)年の西武対巨人(西武球場)を友人のOとMと私の3人で観戦した。
チケットはOとMが、試合前日に徹夜して並んでとってくれた(ありがとね!)。
何戦目を観戦したのかは忘れてしまったが、この年の日本シリーズは西武が4勝して圧倒的な強さを見せたシリーズだった。
あの頃の西武球場(現、ベルーナドーム)には屋根はついていなかった。
今のベルーナドームよりもずっと広く感じたものだ。

現在、日本シリーズは営業面を考えてすべてナイトゲームになってしまった。
10月下旬や11月のはじめに、寒い中で屋外で行われるナイトゲームは最悪だと思う。 さて、今年は理想のコンディションで何試合観戦できるか?
今から楽しみにしている。

第26期生 保護者様の声

第26期生の保護者様(2名様)が、お子様の成長、中学校卒業や志望校合格の喜びなどをお寄せ下さいました。
心温まる当塾との思い出なども書いていただきました。お忙しい中、本当にありがとうございました。
なお、掲載順は塾生の入塾順です。


「親子二世代」(C様)                             

私自身も、第四期卒業生で親子でお世話になりました。
息子が幼稚園前まで他県に住んでおり益子町に戻って来た時に、塾に入れるなら尚朋スクールとずっと思っていたので、他の塾の下調べなど一切せず息子が六年生の時に入塾しました。
私が通っていた頃と変わらず、アットホームな雰囲気で迎え入れて頂きいつも親身に指導して頂きました。
受験の年の冬休み、息子が急に食欲がなくなりほとんど食べられない状態が何日か続きました。風邪症状もなく、コロナ陽性でもない、本人の受験のプレッシャーなのか?
原因が分からず塾長に相談しました。すぐに息子と話をしてくれ本人も安心したからなのか食欲も戻り無事に冬期講習を終える事ができました。
あの時、息子が元気になれたのは尚朋スクールが息子にとって心を開ける家以外の居場所であったからだと思います。
ステキな塾長夫妻に出会えたことに感謝しています。  
今まで本当にありがとうございました。


「尚朋スクールでの出会いに感謝」(K.I母(B)様)

尚朋スクールでは、子供たち2人が、大変お世話になりました。
尚朋スクールは、勉強以外にも一人ひとりの生徒や保護者の立場にたった指導でしたので、
先生方の子供たちへの丁寧な対応と保護者への熱心な関わりは、本当にありがたかったです。三者面談会で直接話をすることで、保護者とのコミュニケーションを大切にしている先生方の思いがよく伝わりました。
子供たちは尚朋スクールに行くのが生活の一部となり、上の子は受験前は、授業がない日も毎日自習に通っていました。下の子も、テスト前はよく自習に通っていました。
我が子の成長に関わっていただき、先生方の存在は、とても心強かったです。心配なことがあれば、勉強のこと、受験のこと、子育てのことでも、何でも相談にのっていただけるという安心感がいつも心にありました。
尚朋スクールを通して、目標に向かって共に同じ時間を過ごしていく仲間が出来たことは、受験を乗り切る精神的な支えになったと思います。私も子供も、平常心で受験の日を迎えることができ、子供が試験当日の朝、元気に自信を持って試験に出かけていく姿をみて、とても頼もしく感じました。尚朋スクールで学んだこと、先生方の日ごろの熱心なご指導のおかげです。
もう尚朋スクールに通えなくなるのは寂しい気持ちもありますが、ご指導いただいたことはいつまでも忘れません。塾を卒業し、保護者が寂しいと感じてしまうのは、それだけ尚朋スクールの先生方の思いが、子供を通して保護者にもしっかりと伝わったのだと思います。
子供たちには、尚朋スクールの卒業生であることに自信と自覚を持って、自分の夢の実現に向けて、これからも努力していってもらいたいと思います。
尚朋スクールでの出会いに感謝致します。本当にありがとうございました。

第46回  自信作

真岡に行ったついでに、行屋川水辺公園を歩いてきた。
言わずと知れた桜の名所である。

すでに桜のピークは過ぎ、散り始めていて、行屋川の水面にはたくさんの花びらが浮かんで、ゆっくりと流れていた。
この様を「花筏」という。

この様子をスマホで撮影し、川沿いを散策していたら、なかなか良い句が浮かんできた。
するするとできて、「これは傑作だ!」と思った。
「自分で言うな」という突っ込みが入りそうだが、本当に自信作ができたのだ。
傑作というものは、往々にしてすっとできるものなのである。
数年に一回あるかないかのことなのだが。

さっそく、LINEで妻と長男(社会人)と次男(大学生)に写真と俳句を送った。
妻からはすぐに、ギャグマンガ「磯部磯兵衛物語」のスタンプがきた。
磯部磯兵衛が親指を立てて「ぐっ!」とやっているスタンプ。

長男からは夜に、「何これ?」と返信が来たので「俳句」と言ったら、しばらくして「いい俳句だね」と返信がきた。

次男からは深夜に、「芭蕉?」と返信がきたので、「○○○○(私の俳号)」と返しておいた。私は、親指を立てて「ぐっ!」とやった。

ちなみに、妻が私の俳句を褒めることはあまりない。
その妻が褒めたくらい、今回の俳句はなかなかに良いできなのである。
野球でいったら、三塁打くらいかな。

今すぐここで紹介したいのだが、その前に新聞(ブロック紙)に投句してからにしようと思っている。
ここで発表してしまうと、未発表作品ではなくなってしまうので。
(新聞や雑誌、結社誌などに投句できるのは未発表作品のみ)。

というわけで、結果が出たらブログ内で発表します。
もしボツだったら、来年のこの時期に発表したいと思います。

いや、本当に自信作なのですよ。

第45回  新年度第一日目

3月27日(月)に尚朋スクールの新年度が始まった。
3月20日(月)に合格祝賀会を開き、その週は授業はなかったのだが、毎年この期間に新年度の準備、新入生の面談、在籍生の面談(希望者)などを行っている。
そのため、授業がないとはいえ、のんびりはしていられない。
新年度が始まり、塾生に教材やプリントなどを渡し、一週間の授業が終わって、ちょっと安心。
やっと一息できるのはゴールデンウィーク前後である。

今年の新年度初日も大忙しの一日だった。
この日は新中学1年生の数学・理科の授業のみなので私自身は授業はなかったが、いろいろあった一日だった。

授業前に、今春、無事志望校に合格した塾生と保護者様が挨拶にお見えになった。
直前期は心身を削ってがんばった子で、相当なプレッシャーを感じつつ受験勉強に取り組んでいた。
そんな彼女は、努力が実って無事志望校に合格した。本当に良かった。
ご本人もお母様も安心し、とてもうれしそうだった。
素敵なコーヒーカップと桜生八ツ橋、ありがとうございました。

塾の問い合わせが2件あり、うち1件はその日に面談を行うことになった。
当塾では、入塾時の面談をとても大切に考えている。
本人の現在の学力、性格、これまでの学習方法、生活面などをお聞きする。
その上で、当塾の指導方針、指導内容を説明するので、1件につき1時間以上かかる。
即入塾の場合は、さらに学習方法や手続きの話もするので、さらに時間がかかる。
学習塾を選ぶ、選んでいただくということに関しては、何よりもコミュニケーションが大切だと考えている。

当塾の卒業生(第26期生・新高1生)からLINEがあった。
野球部だった子で、小6の秋から入塾し、約3年半、文武両道でがんばった子だ。
彼は特色選抜で真岡高校に進学したのだが、なんと、春の大会でベンチ入りが決まったということだ。
これは本当にすごいこと。本人もとてもうれしそうだった。
もともと真岡高校の初戦は観戦する予定だったから、その旨を伝えておいた。
試合に出るかどうか分からないが、与えられた立場でチームに貢献して欲しい。
現在、当塾の高校球児は新高1生を含めて3校に5人。
今年も、都合がつけば現地に応援に行きたいと思っている。

当塾の卒業生(第23期生)から電話があった。
今春高校を卒業し、上京し4月から大学生になる子だ。
上京前に挨拶に来たいということだったので、急きょ授業終了後に会うことになった。
本人、お母さん、我々講師の4人で、1時間以上、高校時代の話や今後のこと、将来の夢、私の大学時代の話などをした。
彼女は社会問題に興味に持っていて、社会に貢献できるように勉強したいと話していた。
しっかりとした考えを持っていて、本当に立派だと思った。
高校時代は勉強が大変だったようだ。
しかし、挫けそうになったときは、中学時代の「宿題ノート」に書かれた私たち講師のコメント読み返し、自分を奮い立たせてがんばったそうである。
「先生たちのおかげで高校でもがんばれた」と言ってくれたが、「こちらこそ、ありがとう」という気持ちでいっぱいだ。
東京という広い舞台で視野を広げ、存分に活躍して欲しいと思う。
彼女の進学する大学は私の母校なので、「入学式前までに、ちゃんと校歌を覚えておきな」というどうでもよいアドバイスをしておいた。

2023年度の初日は、こんな一日だった。
交感神経が優位に立ちすぎた一日だったが、ありがたい悲鳴である。

塾生のみなさん、保護者のみなさん、新年度もよろしくお願い申し上げます!

新学期が始まります(3月27日開始)

当塾の新学期は3月27日(月)に始まります。
現在、新学期生、体験入塾生を募集しています。

新年度を機に、「がんばってみよう」「自分を変えたい」「仲間と共にがんばりたい」と考えている人は、是非、尚朋スクールにご入塾下さい。
まずは「授業を体験してみたい」という人も大歓迎です。

お気軽にお問い合わせ下さい。
ご連絡をお待ちしております。

第44回 30数年ぶり

先日、30数年ぶりに西武池袋線の大泉学園駅に降り立った。
ここは学生時代に約2年弱住んでいた街である。

今年の2月に、漫画家の松本零士さんがお亡くなりになった。
新聞やネットで松本さんの記事が出ていて、松本さんが50年以上大泉学園に住んでいらっしゃったこと、大泉学園駅北口に「銀河鉄道999」の主人公・星野鉄郎とメーテルのブロンズ像があるということを知った。
是非、いつか行ってみたいと思っていたのだ。

その日、大学生の次男とプロ野球のオープン戦(西武対楽天)に行った帰りに、西武池袋線に乗り、日が暮れつつある大泉学園駅に下車した。

私が住んでいた頃の西武池袋線は高架駅ではなかったので、すっかり変わった駅と街を見てびっくりした。
当時はなかった高層ビルがたくさんあり、私が学生時代だった頃の面影は何も残っていなかった。
星野鉄郎とメーテルのブロンズ像を見たあと、せっかくだから自分が住んでいたアパートに行ってみることにした。
当時通った店など一つもなくなっていた(と思う)が、約3㎞続く桜並木と練馬区立大泉中学校は当時の場所にあったので、なんとか目的地に辿り着くことができた。

最初は自信がなかったが、しばらく周辺をうろうろしていたら少しずつ当時の記憶がよみがえり、「このアパートだ!」と確信した。
当時、1階に大家さん家族が住み、2階に3部屋あり、3人の店子が住んでいた。
表札を見ると、現在は建物の持ち主が変わったことが分かった。
しかも、増築されていて、現在はアパートではなくなっていた。

30数年前の様々なことを思い出した。
駅へ向かうため五分咲きの桜並木を歩いていたら、懐かしく、少し恥ずかしい気持ちになった。

さまざまの事思ひ出す桜かな 芭蕉

合格祝賀会を開催しました

3月20日(月)に、第26回目の合格祝賀会(修了式)を開催しました。
今回は「最後の授業」も兼ねた新しい試みの合格祝賀会でした。
今年も無事卒業生たちを送り出すことができてほっとしています。

第26期生は、在籍期間が長い子は4年、短い子で1年です。
一人ひとりに様々な思い出があります。
全員が、すばらしい高校生活を送ってくれることを願っています。

第26期生のみなさん、そして保護者の皆様、今まで本当にありがとうございました!

第43回 「シン・ウルトラマン」を観る

昨年の5月に公開された、庵野秀明企画・脚本、樋口真嗣監督の「シン・ウルトラマン」をアマゾンプライムビデオで観た。
昨年、学生時代の友人が「おもしろかった」と感想を伝えてくれていたので、いつかは観ようと思っていた。

ネットでの感想は賛否両論あった。
実際に観た私の感想は、エンターテイメント作品としてとても良くできていたと思う。
子供時代に「ウルトラマン」を観ていた人間としては、押さえるところは押さえていたし、細部の新しい解釈にも違和感がなかった。
とてもおもしろかった。

内容は別として、物語終盤の以下のシーンが印象に残った。

禍威獣特設対策室(禍特対)の専従班・非粒子物理学者である滝明久(有岡大貴)が、「もう何でもウルトラマン頼みですね」と、イライラしながら自分たちの力のなさを嘆く。
すると、禍特対の班長である田村君男(西島秀俊)が、「昔から人間、困ったときは神頼みだ。ウルトラマンが今もっとも神様に近い存在だ」と慰めるのだ。

以前、妻が「日本人のダメなところは、何でも自分自身で解決しようとするのではなく、いつか誰かが何とかしてくれるだろうと思っているところ。これは、ウルトラマンの影響があるのではないかと思う。子供の頃からウルトラマンを見て育って、そんなメンタルになっているのではないか」と指摘していたのだ。

もちろん、日本人は昔から、「蒙古襲来時に神風が吹いた。だからいざとなったら神風が吹く」とか、江戸時代の庶民には「お上意識」が身についていたりしたので、妻の指摘が100%正しいとは思わない。
ただ、少しはそんなところもあるのかなと思ったわけである。

それはさておき、「シン・ウルトラマン」はなかなかおもしろい作品でした。
ウルトラマン好きの方は是非ご覧下さい。