第44回 30数年ぶり

先日、30数年ぶりに西武池袋線の大泉学園駅に降り立った。
ここは学生時代に約2年弱住んでいた街である。

今年の2月に、漫画家の松本零士さんがお亡くなりになった。
新聞やネットで松本さんの記事が出ていて、松本さんが50年以上大泉学園に住んでいらっしゃったこと、大泉学園駅北口に「銀河鉄道999」の主人公・星野鉄郎とメーテルのブロンズ像があるということを知った。
是非、いつか行ってみたいと思っていたのだ。

その日、大学生の次男とプロ野球のオープン戦(西武対楽天)に行った帰りに、西武池袋線に乗り、日が暮れつつある大泉学園駅に下車した。

私が住んでいた頃の西武池袋線は高架駅ではなかったので、すっかり変わった駅と街を見てびっくりした。
当時はなかった高層ビルがたくさんあり、私が学生時代だった頃の面影は何も残っていなかった。
星野鉄郎とメーテルのブロンズ像を見たあと、せっかくだから自分が住んでいたアパートに行ってみることにした。
当時通った店など一つもなくなっていた(と思う)が、約3㎞続く桜並木と練馬区立大泉中学校は当時の場所にあったので、なんとか目的地に辿り着くことができた。

最初は自信がなかったが、しばらく周辺をうろうろしていたら少しずつ当時の記憶がよみがえり、「このアパートだ!」と確信した。
当時、1階に大家さん家族が住み、2階に3部屋あり、3人の店子が住んでいた。
表札を見ると、現在は建物の持ち主が変わったことが分かった。
しかも、増築されていて、現在はアパートではなくなっていた。

30数年前の様々なことを思い出した。
駅へ向かうため五分咲きの桜並木を歩いていたら、懐かしく、少し恥ずかしい気持ちになった。

さまざまの事思ひ出す桜かな 芭蕉

合格祝賀会を開催しました

3月20日(月)に、第26回目の合格祝賀会(修了式)を開催しました。
今回は「最後の授業」も兼ねた新しい試みの合格祝賀会でした。
今年も無事卒業生たちを送り出すことができてほっとしています。

第26期生は、在籍期間が長い子は4年、短い子で1年です。
一人ひとりに様々な思い出があります。
全員が、すばらしい高校生活を送ってくれることを願っています。

第26期生のみなさん、そして保護者の皆様、今まで本当にありがとうございました!

第43回 「シン・ウルトラマン」を観る

昨年の5月に公開された、庵野秀明企画・脚本、樋口真嗣監督の「シン・ウルトラマン」をアマゾンプライムビデオで観た。
昨年、学生時代の友人が「おもしろかった」と感想を伝えてくれていたので、いつかは観ようと思っていた。

ネットでの感想は賛否両論あった。
実際に観た私の感想は、エンターテイメント作品としてとても良くできていたと思う。
子供時代に「ウルトラマン」を観ていた人間としては、押さえるところは押さえていたし、細部の新しい解釈にも違和感がなかった。
とてもおもしろかった。

内容は別として、物語終盤の以下のシーンが印象に残った。

禍威獣特設対策室(禍特対)の専従班・非粒子物理学者である滝明久(有岡大貴)が、「もう何でもウルトラマン頼みですね」と、イライラしながら自分たちの力のなさを嘆く。
すると、禍特対の班長である田村君男(西島秀俊)が、「昔から人間、困ったときは神頼みだ。ウルトラマンが今もっとも神様に近い存在だ」と慰めるのだ。

以前、妻が「日本人のダメなところは、何でも自分自身で解決しようとするのではなく、いつか誰かが何とかしてくれるだろうと思っているところ。これは、ウルトラマンの影響があるのではないかと思う。子供の頃からウルトラマンを見て育って、そんなメンタルになっているのではないか」と指摘していたのだ。

もちろん、日本人は昔から、「蒙古襲来時に神風が吹いた。だからいざとなったら神風が吹く」とか、江戸時代の庶民には「お上意識」が身についていたりしたので、妻の指摘が100%正しいとは思わない。
ただ、少しはそんなところもあるのかなと思ったわけである。

それはさておき、「シン・ウルトラマン」はなかなかおもしろい作品でした。
ウルトラマン好きの方は是非ご覧下さい。

第26期生の合格高校

第26期生の合格高校は以下の通りです。
なお、高校、学科によっては複数名合格しています。

県立高

  • 石橋高
  • 真岡高
  • 真岡女子高
  • 茂木高
  • 真岡工業高 機械科 建設科

私立高

  • 作新学院高 英進部 総合進学部 情報科学部
  • 文星芸術大学附属高 普通科
  • 岩瀬日本大学高 特別進学コース
    ※うち特待合格1
  • 日大進学コース

第42回 卒業、おめでとうございます!

今日は中学校の卒業式。
暑いくらいの陽気で、満開だった梅がこぼれている。

T君のお母さんが、卒業式を終えたばかりの写真をLINEで送って下さった。
「チーム尚朋男子部」という写真。
マスクを外した塾生たちの面々が、卒業証書を持って並んでいる。
3年間、マスク姿の彼らしか見ていなかったから、ずいぶん大人っぽくなっていてびっくりした。
笑顔がまぶしい。

第26期生のみなさん、卒業、おめでとうございます!
合格祝賀会でお会いしましょう。

卒業の兄と来てゐる堤かな 芝不器男

「柔軟剤や消臭剤、抗菌剤」などの危険性について

こんにちは。
お世話になっております。

最近、消臭剤や抗菌剤、香り長持ちの柔軟剤が原因で体調を崩す人が増えています。
コロナ禍、香り長持ちの柔軟剤、抗菌剤入洗剤が出てきてから、この傾向はさらに強まっていると思います。

学校に行けなくなってしまった子どもたち、職場に行けなくなってしまった大人も増え、社会問題になっています。
しかし、大手メーカーがスポンサーのため、消臭剤や抗菌剤、香り長持ちの柔軟剤などの問題点がテレビで扱われることはほとんどありません。
上記の商品が「すばらしいもの」というCMにより、日々使用することで体調を崩している人が増えているのです。

上記の商品が原因の症状としては、倦怠感、頭痛、アトピー、ぜんそく、めまいや手足のしびれ、うつ症状など様々です。
子どもの場合であれば、「勉強に集中できない」「落ち着きがなくなる」「記憶力が低下する」「キレやすくなる」などの傾向も見られます。
一般の医者も知識がない場合が多く、根本的な解決になっていない場合が非常に多いと思います(頭痛薬を出す、抗うつ剤を出すなどですます)。

生活環境、学習環境を整えてあげなければ、当然、成績も思うように上がりません。
それだけでなく、今は大丈夫でも、いつか体調を崩してしまいます。
化学物質過敏症になってしまったら、本当に大変です。
学校に通えなくなり、就きたい仕事に就けなくなってしまいます。

私たち講師は、日々、未来ある子どもたちと接しています。
子どもたちが生き生きと、元気に生活し、自分の夢を叶えられるようにするためにも、是非、多くの保護者の皆様に上記商品の危険性を知っていただきたいと思います。
今後、当塾では積極的に発信してゆきたいと考えています。

なお、全国の自治体でも、取り組みが進んでいるところ、取り組みが始まったところもあります。

まず手始めとして、当塾の数学・理科の講師が以下のプリントを作成しました。

  • 「香害・洗たく香害を知っていますか?」
  • 「おすすめの無香料洗剤一覧」

この2枚に「滋賀県野洲市の教育委員会の保護者向け案内」のコピーをつけて、保護者の皆様にお渡し致します。
3月8日・9日・10日にお渡し致します。
一応、この3枚をPDFと写真でお送りします。
是非、ご覧ください。
お知り合いの方にもお伝えして、より多くの方に情報を共有していただければと思います。

私は20年以上の化学物質過敏症のベテランです。
2001年に発症し、5年間、北里研究所病院に検査・生活指導に通いました。
今は普通に生活できていますが、化学物質には弱い体質となったので、気をつけて生活しています。
この病気は薬で治すものではなく、身の回りから可能な限りの化学物質を取り除く、なるべく添加物の少ない食品をとるということでしか回復(正確には寛解)しません。
回復には時間がかかります。
化学物質過敏症発症後は、周囲の微量の化学物質で体調を崩し、地獄の5年間を過ごしました。
このときのような経験を子どもたちにはして欲しくないと考えています。

ご意見、ご相談などがあればご連絡下さい。

第41回  島田雅彦著『パンとサーカス』(講談社)

島田雅彦著『パンとサーカス』(講談社)は、ハードカバーで557ページの大著だ。
2020年7月31日から2021年8月29日に、北海道新聞、東京新聞、中日新聞、西日本新聞に連載されたものを、加筆、修正した上で2022年3月に出版された。
この本を、飽きることなく一気に読んだ。

帯の裏側には以下の4氏による推薦文が書かれている。

前川喜平氏(元文部・文科官僚)
日米同盟という名の永続占領から自由日本を解放する革命戦士たちの叙事詩

鴻巣友季子(翻訳家、エッセイスト)
スケールの大きな謀略小説であり、極辛の政治風刺劇であり、極太のエンターテイメントである

立川談四楼(落語家、作家)
私たちが夢想する革命に立ち上がる主人公に快哉を叫んだ!

永江朗(著述家)
パンとサーカスさえ与えておけば国民はおとなしくしているなんて思っているヤツらに一泡吹かせたい

腐りきった日本の政治、そんな政治を終わらせるべく、二人の主人公が立ち上がり、彼らを支える仲間たちが立ち上がる。
読み進めていくと、この政治家のモデルは元首相のあの人物だなとか、この元右翼で大物のィクサーはあの人物だなとか、なんとなく分かってくる。
その点もおもしろかった。
政治の裏側、日米関係の裏側なども書かれていて、エンターテイメントでありながら、政治の勉強にもなる。

この小説のすごいところは、安倍元首相の銃撃事件前に書き始められたということ。
鋭い作家が書いたフィクションが時間をおいて現実になるということは良くあることだ。この作品もそのような印象を受ける。
いつか映画化されるのではないかと思う。

安倍元首相の銃撃事件以降、日本の政治の闇が次々と暴かれている。
そして、国民不在の日本の政治が、これほど劣化していたという現実をつきつけられている。腐りきった日本の政治は、この物語のようにまともな方向に進むのだろうか。
島田雅彦さんのメッセージをキャッチしつつ、是非、多くの人に読んで欲しいと思う一冊である。

入試直前の特別授業(社会)

尚朋スクールでは、一般選抜受験者を対象に「入試直前対策」を行います。
3月4日(土)の今日は、午後1時半から、毎年恒例の「社会の特別授業」を行いました。

入試直前の土曜日にやることは、私(塾長)が「これだけは確認しておいて欲しい」という願いを込めた社会の授業です。
一般選抜受験組の塾生は、私が作成したオリジナルプリントを、教科書(地理・歴史・公民)や地図帳などを利用しつつ、全員で読み合わせをしてゆきます。

今年のプリントはB4で7枚。毎年この中からたくさんの問題が出題されます。
単なる用語の確認だけでなく、頻出の記述問題も確認します。
普段の授業でも意識しているのですが、社会科が単なる「受験の1教科」ではなく、現代社会と深く関係していること、「社会科は生きてゆく上で重要なものである」ということを塾生たちに意識させるようにしています。

当塾では、社会科に限らず、すべての教科でもこのような姿勢で指導にあたっています。
この点が当塾の強みであると考えています。

当初の予定では、午後1時半~3時半の予定でしたが、授業に熱が入り、20分の休憩時間(当塾からおやつを差し入れています)をはさんで午後4時20分までかかってしまいました。

その後、午後5時30分まで希望者は自習をしていきました。
この間、面接が必要な塾生を対象に面接の練習を行いました。

明日は、参加は自由。
午後1時半から5時半まで自習室を開放し、塾生たちの質問に答えてゆきます。

入試まであとわずかとなりましたが、塾生たちには「やるだけのことはやった!」という手応えを持って本番に臨んで欲しいと思います。