第196回 上村裕香著『ほくほくおいも党』

上村裕香著『ほくほくおいも党』(小学館)を読む。

上村裕香さんは現在25歳の大学院生、この作品は大学の卒業制作が基になっているそうだ。
上村さんは、この作品を出版社に持ち込んだのだが3社に断られたようだ。

『ほくほくおいも党』には、左翼政党の政治家や党員を親に持つ子どもたち、「活動家二世」たちの苦悩が描かれている。
これまで、このようなテーマの小説はなかったと思う。

なかなか重い内容であった。
やはり、子どもは、親には自分のことを第一に考えて欲しいと思うものである。
そんなことを再確認させられる作品だった。

 第195回 宮島未奈著『それいけ! 平安部』

宮島未奈著『それいけ! 平安部』(小学館)を読む。

宮島さんは、『成瀬は天下を取りにいく』でブレークした人気作家だ。
この本は、宮島さんの4冊目の著書である。

主人公の牧原栞は、高校入学と同時に、同級生の平尾安以加に誘われて「平安部」の立ち上げに関わることになる。
上級生も含めて部員が5人になり、京都で行われる蹴鞠大会に出場。
その後、文化祭に向けて力を合わせて活動し、ついに文化祭当日を迎える。

『それいけ! 平安部』は、高校生たちの群像青春小説である。

宮島さんの文体はとても読みやすく、今回も最後まで一気に読んでしまった。
おもしろく読むことができたが、私としては、そろそろ成瀬シリーズの3冊目を読みたいと思っている。
宮島さん、よろしくお願いします!

第194回 鈴木俊貴著『僕には鳥の言葉がわかる』

鈴木俊貴著『僕には鳥の言葉がわかる』(小学館)を読む。
新聞や書評で紹介されていて、ずっと読みたいと思っていた本だ。

三度の飯よりもシジュウカラが好きな鈴木さんは、学生時代からシジュウカラの観察と研究を始める。
そして、シジュウカラが会話していること、しかも文法能力まであるということを発見するのだ。

どんな観察や実験をしたのか、読者は鈴木さんと一緒に体験できる。
文章は読みやすく、かわいらしいイラストもついている。

最初から最後まで、わくわくしながら読むことができた。
そして、読み終えて幸せな気分になれた。

大人はもちろん、中高校生にもオススメの一冊だ。

自習室を利用しましょう

定期テストに向けて自習室を開放しています。

現在、尚朋スクールには、益子中生、田野中生、七井中生、真岡東中生が通っていますが、来週、塾生が通うすべての中学校で定期テストがあります。

昨日は、中1~3年生の約10名が自習室に来て、集中して勉強していました。
家で集中できないという人は、ぜひ自習室を利用して下さい。

なお、7日(日)には「テスト対策学習会」を行います。
定期テストに向けて、がんばってゆきましょう!

 第193回 戦争を語り継ぐべし

以下は「週刊文春」(2025年9月4日号)に掲載された拙文です。原文は倍以上の長さでした。

戦争を語り継ぐべし

8月14・21日号特集「戦後80年を紡ぐ」はボリュームたっぷりの内容だった。池上彰さんの徹底解説はわかりやすく勉強になった。文春俳壇の戦時下の俳句にはいろいろと考えさせられた。

今だからこそ、私たちは戦争や平和を学び、次の世代に語り伝えるべきだと思う。

第192回 親子で戦争平和 話し合う機会に

以下は下野新聞(2025年8月16日)に掲載された拙文です。

親子で戦争平和 話し合う機会に

先日、栃木県立博物館で開催中の特別企画展「とちぎ戦後80年~いま、おやと子で知る 軍隊・戦争と栃木~」へ行ってきた。この企画展は、明治初期の「富国強兵と国民皆兵」から「総動員体制の戦争へ」、終戦から1950年くらいまでが扱われている。

特に興味をひかれたのは、日中戦争から敗戦に至るまでの展示だ。臨時召集令状(複製)や日章旗寄せ書き、千人針、防空頭巾、「国民精神総動員」のポスターや大日本国防婦人会のたすき、戦費調達のための国債など、これらの物からは戦時中の重苦しい社会の雰囲気が伝わってきた。投下された焼夷弾や溶けた硬貨のかたまりなどもあった。

この企画展を見れば、どんなことがあっても戦争はやってはならないと思うはずだ。親子で足を運び、戦争や平和について話し合ってみると良いと思う。

2学期生募集中!(小6生・中1生・中2生)

尚朋スクールは、小手先のテクニックではない、「物事の本質を見抜く力」を養い、「受験で終わらない学力」を身につけさせたいと考えております。

2学期を充実したものにするためにも、2学期が始まるこの機会にご入塾下さい。

無料の体験入塾も行っています。
お気軽にお問い合わせ下さい。

充実した夏期講習会でした

昨日、中学3年生の夏期講習会が終わりました。
中学3年生のみなさん、本当におつかれさまでした。
みなさんのアンケートから、「充実した講習会だった」ということが伝わってきました。
8月中に、中身の濃い学習、長時間の学習をやりきったことで自信がついたと思います。
この勢いで、2学期もがんばってゆきましょう!

第191回 宮城喜久子著『新版 ひめゆりの少女』

宮城喜久子著『新版 ひめゆりの少女  十六歳の戦場』(高文研)を読む。

作者は、沖縄県立第一高等女学校4年生の時に、南風原陸軍病院に動員された。
この本は、それから約3か月間の地獄の記録である。

死がすぐ隣にある極限状態の日々、思い出すだけでも辛かったはずだ。
しかし、戦地で亡くなった友人たちのために、戦場の地獄を後世に伝えるために、この本を書いた。
現代に生きる私たちは、その思いをしっかりと受け止めて、次の世代に伝えていかなければならないと思う。

今日は80年目の「終戦の日」だ。
あの戦争でお亡くなりになった方々を追悼しつつ、戦争や平和について考えたいと思う。