第229回 池田功著『啄木 新しき明日の考察』

池田功著『啄木 新しき明日の考察』(新日本出版社)を読む。

大逆事件(1910)時の啄木の思想や行動を詳しく知りたかったのでこの本を読むことにした。

私にとって、歌人といえば石川啄木。
啄木は一番好きな歌人だ。

啄木は26歳で亡くなるのだが、文学の活動期間はわずか10年ほど。
この間に、彼の思想はどんどん進化してゆく。

池田功氏は本書で、啄木は「世間的には評価されない人間に対して憐憫の情を持ち、そのことをきちんと表現している」と述べている。
そのようなところが啄木短歌の魅力なのかもしれない。

『啄木 新しき明日の考察』は、とても興味深い一冊だった。
この後は、同じ著者による『啄木日記を読む』(新日本出版社)を読むつもりである。

第228回 烏谷昌幸著『となりの陰謀論』

烏谷昌幸著『となりの陰謀論』(講談社現代新書)を読む。

この本は以下の四章からなっている。

第一章      陰謀論とは何か

第二章      陰謀論が生む「パラレルワールド」

第三章      「陰謀論政治」はなぜ生まれるのか

第四章      陰謀論を過小評価してはならない

著者は本書で、陰謀論を歴史的な視点も踏まえて丁寧に解説する。
そして、陰謀論を甘く見てはいけないと語り、「陰謀論研究の裾野を広げていく必要がある」と結論づけている。

陰謀論が政治に悪影響を及ぼしているのは、トランプ独裁が進むアメリカを見ればよくわかる。
残念ながら、世界も、そして日本も同じような流れになっている。

陰謀論が大きな問題となり世界を変えてしまったのは、インターネットの普及が大きい。
たいへん便利なインターネットだがマイナス面も大きいのである。
しかし、もうインターネットのない世界には戻れない。

この先、世界はどうなってしまうのか?
正直、とても不安である。

多くの人が「陰謀論とは何か」ということを考え、研究者が書く本(専門書ではなく本書のような一般向けの本)を読むことが必要なのではないだろうか。
その意味でも、本書は最高の入門書だと思う。

第227回 『昭和二年生まれの流儀』

城山三郎さんと吉村昭さんの対談集『昭和二年生まれの流儀』(中央公論新社)を読む。

城山さんと吉村さんは1927(昭和2)年生まれ、もちろんお二人は他界されている。

歴史小説家であるお二人の対談は興味深かった。
とくに戦時中の話はとても貴重である。

戦争が進むに従い、新聞の論調が戦争を煽る方向に変わっていったこと、国民が戦争に熱狂していったことなどは、現代に生きる私たちも知っておくべきだ。
けっして軍部の暴走だけの問題ではなかったのである。

今の日本を見ていると、戦前と同じような雰囲気になっているようでとても心配である。
いつまでも平和な日本であってほしい。

第226回 『モーム短篇選(上)』

一番好きな外国人の作家は、サマセット・モーム(1874~1965)である。
モームの作品は、学生時代の頃から20代にかけて熱心に読んだ。

今回、モームの作品を久しぶりに再読した。
読んだ本は、生方昭夫編訳の『モーム短篇選(上)』(岩波文庫)である。

上巻には6つの短編が入っている。
内容をすっかり忘れていたので、とても新鮮な気持ちで読むことができた。

モームの魅力は、そのストーリーの巧みさである。
最初はちょっと読みにくいかもしれないが、物語の世界に入るとページを繰るのが止まらなくなる。

そして、最後はあっと驚く鮮やかなオチで終わるのだ。

モームのもう一つの魅力は、皮肉な人間観察だ。
地位や名誉、世間体を第一に考える人間、いわゆる「俗物」に対しての痛烈な皮肉は読んでいて気持ちがいい。

上巻を読み終えたので、これからは下巻を読む予定だ。
モームの短編はたくさんあるので、1日に1~2作品のペースで再読してゆきたいと思う。

第225回 衆院選まで、あと4日

衆院選まで、あと4日となった。
今回の衆院選の結果によっては、日本という国が大きく変容してしまうかもしれない。

高市首相は、憲法改正をし、憲法に自衛隊を明記しようとしている。
これは、日本が戦争をする国になるということである。
その先は徴兵制とつながるのだ。

日々、子どもたちと接している者として、子どもたちが戦争に行かなければならなくなってしまうのは絶対に嫌だ。

現政権による憲法改正には反対である。

第224回 茅葺き屋根復興プロジェクト

益子町の大羽地区には、歴史のある綱神社と大倉神社が鎮座している。
両神社は、国指定重要文化財だ。

両神社の茅葺き屋根の痛みは激しく、現在、綱神社・大倉神社修理委員会がクラウドファンディングで修復資金を集めている。
実施期間は、2月1日から3月31日まで、目標金額は500万円だそうだ。

先週、綱神社と大倉神社を参拝したが、茅葺き屋根にはシートが被せられていて、傷みの激しさがよくわかった。

実施開始日の今日、さっそく資金援助を行った。
このプロジェクトが成功することを祈っている。

第223回 群ようこ著『老いとお金』

群ようこ著『老いとお金』(角川文庫)を読む。

ときどき、無性に群ようこさんのエッセイが読みたくなる。

今回読んだのは、老いとお金の話。

お金に対する考え方や使い方、身内とのトラブル、そして絶縁など、「ここまで書いてしまって大丈夫?」と心配になってしまうほど、自分をさらけ出している。
だからこそ、おもしろいのだが。

群さんは、やはり本物の「物書き」なのである。

おもしろくて、たくさん付箋を貼ってしまった。

生きてゆくのにはお金は必要だが、それに囚われすぎてしまうのも嫌だ。

いろいろと考えさせられた一冊だった。

第222回 佐藤憲一著『伊達政宗の手紙』

佐藤憲一著『伊達政宗の手紙』(新潮選書)を再読する。

「独眼竜」「遅れて出てきた戦国武将」として有名な伊達政宗。
政宗について書かれた小説はいくつかあるが、佐藤憲一著『伊達政宗の手紙』(新潮選書)もおもしろい。

政宗には筆まめの一面があり、自筆の手紙は現存するだけでも千通を超えるという。
著者の佐藤さんは、「実際の数は数千通を下らないだろう」と書いている。

この本を読むと、勇猛果敢な武将としてだけではない、細やかな政宗の一面を知ることができるのだ。

第221回 あたたかいご感想をいただきました

拙文「開塾30年 より良い教育に」(ブログ第218回)について、保護者様から心温まるご感想をいただきました。掲載の許可をいただきましたので、ご紹介いたします。本当にありがとうございました。

今年、開塾30年おめでとうございます。
どれだけ便利な世の中になっても、人間と人間のコミュニケーションは大切ですね。
本当にそう思います。
(Aさま)

新年下野新聞の投稿みました。
長きに渡り子供たちの教育発展のためにありがとうございます。
子供が尚朋スクールに通ったおかげで、勉強の仕方がわかり、学ぶ意欲がでたことに感謝しています。
どうかこれからも、ご夫婦でお身体に気をつけて子供たちをよろしくお願いいたします。
(Bさま)

第220回 2025年「今年の漢字1字」

◆塾生たちの「今年の漢字1字」を紹介します。
「お年玉クイズ」の応募用紙に書いてもらったものから。

  • 「病」 2025年の年末に風邪をひいてしまったから。(ゴジラ2025)
  • 「楽」 音楽も楽しくやりたいし、中学1年生になったら西小学校の人も来るから、楽しくなじめたらいいなと思ったから。(T.H)   ※2026年の漢字
  • 「変」 小学生から中学生になって、ぜんぜんやっていなかった勉強もがんばるようになったから。(中1女子)
  • 「変」 修学旅行や文化祭、スポーツ大会などがとても楽しい一年だったから。(ばいきんまん)
  • 「好」 好きなものがたくさんできた年だったから。(アイドル、アニメ、曲など) (ふるっぱー推し)
  • 「苦」 受験生になり、自由が制限され、いつでも「受験があるからな…。」と、好きなことを我慢する苦しい年だったから。(中3女子)
  • 「終」 一見あまり良くない漢字に見えますが、そんなことはなく、この1年は部活、生徒会、学校行事、すべてがラストで、勉強に向かっていく年だったからです。(あじさい)
  • 「頑」 受験生として今までより勉強を頑張っているし、中学校最後の行事や大会も今年は去年よりも頑張ったからです。(中3)
  • 「笑」 笑った年だから。(余、りざ)