第126回 海といえば大洗

厳しい残暑が続いています。

ただ、朝晩は少しだけ涼しくなり、空も秋らしくなってきました。
このまま、早く本格的な秋になって欲しいものです。

今年は父の初盆だったので、お盆中はとても大変でした。
心身ともに疲弊しました。

そんなお盆が終わった17日の午後、帰省中の長男(社会人)と大洗サンビーチ海水浴場へ行ってきました。

約3年前の秋、高校生だった次男と大洗へ行って以来の海でした。

今回は長男の運転で、高速を使っていきました。
高速を使うと1時間ほどで行けるのですね。

海が近づくとテンションが上がります。

大洗サンビーチ海水浴場にはビーチバレーのコートがありました。

海は開放感があっていいですね。

栃木県出身の哲学者で作家の千葉雅也さんが、ずい分前に下野新聞紙上で、「栃木県民にとって、海といえば大洗」というようなことを書いていました。
これ、本当にそうだと思います。

海水浴シーズンに海に来たのは40年ぶり(?)だったので、久しぶりに「海の家」を見ました。
昔に比べて小さくなったような気がしましたが、どうなのでしょうか?

急に天気が悪くなったので、早めに引きあげてきました。
滞在時間は数十分?

帰りに近くの魚市場に寄り、エビとホタテを買ってきました。

大洗駅にも寄りました。
「海の近くの駅」という感じでした。

ポストも青です。

数時間の旅でしたが、リフレッシュできました。

最後に、20年前くらいに作った拙句を紹介して今回のブログを終わります。

砂の塔波が崩して夏果てる

第125回 早見和真著『アルプス席の母』

早見和真著『アルプス席の母』(小学館)を読む。

早見さんの野球小説はおもしろい。
早見さん自身が高校野球の名門校(桐蔭学園高)の野球部出身(補欠)だったこともあり、物語の細部がとてもリアルなのだ。

高校野球の名門校の補欠選手の葛藤を描いたデビュー作『ひゃくはち』も最高におもしろかった。この映画は3回(劇場で1回、DVDで2回)見た。

『アルプス席の母』は、高校野球の名門校に進学した息子の母が主人公である。
主人公の秋山菜々子の視点で、名門野球部の保護者としての葛藤、母一人息子一人の親子関係、息子への思いなどが丁寧に描かれている。
物語の後半は、涙なくしては読めなかった。

最後の最後で気づいた。
主人公の息子秋山航太郎のモデル(の一人)は、プロ野球選手の秋山翔吾選手だと。

高校野球に関係する人はもちろん、野球に興味のない人にも読んでもらいたい一冊である。
絶対に「読んで良かった」と思うはずだ。

この作品は、いつか映画になると思う。

第124回 マイナ保険証の進め方に問題あり

以下は下野新聞(2024年7月21日)に掲載された拙文です。

マイナ保険証の関連情報共有を

先日、後期高齢者の母が、薬局の窓口で「12月からこれまでの保険証は使えなくなるので、次回からマイナ保険証を用意するように」と言われたそうだ。薬の入った袋には同様のメッセージが書かれていた。

マイナ保険証の安全性に疑問を感じている国民は多く、今年の5月時点での利用率はわずか7.73%だった。国はマイナ保険証促進のために217億円を計上し、マイナ保険証の利用者を増やした病院には最大で20万円、薬局には10万円の支援金を出すとしていた。それでも利用者が増えないため、先月、この金額をそれぞれ倍にすると発表した。

マイナ保険証を持たない人には、現行の保険証のように使える「資格確認書」が交付されることになっている。国や医療機関、薬局は、これらの情報も患者に積極的に伝えるべきだと思う。

第123回 国立公園にリゾートホテル?

以下は下野新聞(2024年8月10日)に掲載された拙文です。

環境破壊が進むホテル誘致計画

6月、時々参拝する寺院のあじさい祭りに初めて行った。山の上にあるその寺院は、通常は麓から車で5分程度で着くが、この日は1時間以上かかってしまった。地元や隣接県だけでなく、東北や関西のナンバーの車もたくさん見かけた。複数ある広い駐車場は混雑していて、車を停めるのも大変だった。

アジサイにあふれた境内は美しかったが、人が多すぎて、柔軟剤の臭いが漂い、空気が悪かった。人酔いして疲れてしまった。「観光公害」「オーバーツーリズム」を実感した。

政府は、日本人を訪れる外国人観光客を増やすため、さまざまな政策を進めようとしている。全国に35か所ある国立公園に高級リゾートホテルの誘致も計画しているという。これが実現すれば環境破壊が進んでしまうだろう。この計画は進めるべきではないと思う。

第122回 武田一義著『ペリリュー』

武田一義さんの作品に『ペリリュー 楽園のゲルニカ』(白泉社、全10巻)がある。
太平洋戦争末期のペリリュー島での激戦を描いたマンガだ。

ペリリュー島では、日米合わせて5万人の兵士が殺し合ったとされている。
マンガは優しい絵であるが、内容は凄惨だ。
日本軍の狂気が伝わってきて、読んでいて苦しくなる。

先日、書店をのぞいたら、このマンガの外伝『ペリリュー 外伝』が並んでいたので購入した。これから読もうと思う。

今年は戦後79年だ。
ロシアのウクライナ侵攻、イスラエルによるパレスチナ自治区ガザの攻撃は続いている。
我が国を振り返れば、日本は戦争可能な方向へ進んでいる。

戦争は、家族や友人など、大切な人を失うことになる。
そう考えれば、誰だって絶対に嫌なはずだ。
国の指導者の威勢のよい言葉に騙されてはいけない。

広島と長崎に原爆が落とされ、敗戦を迎えたのが1945年の8月だ。
8月には、戦争と平和について考えたいと思う。

第121回 河﨑秋子著『愚か者の石』

河﨑秋子著『愚か者の石』(小学館)を読む。

河﨑の作品を読むのは直木賞受賞作の『ともぐい』に続き2冊目。
今回も力強い作品だった。

明治18年、自由民権運動に加わったことで国事犯とされた主人・瀬戸内巽は、徒刑13年の判決を受け、北海道の樺戸集治監に送られる。

収容所での過酷な日々、そしてさらに過酷な釧路集治監に送られ、硫黄採掘に従事させられる。

物語は、主人公と同房の山本大二郎、そして看守の中田を中心にまわっていく。
明治時代の裏側史を見るようで興味深かった。

また、ストーリーの終盤は、山本大二郎の秘密を探る謎解きとなっていて、最後まで一気に読むことができた。
そして、いろいろと考えさせられる作品だった。

明治時代を理想化する人も多いが、改めて、庶民にとって明治はちっとも良い時代ではないということを再確認した。

第120回 栃木大会決勝戦

1回表、国学院栃木が石橋の二人の投手から5点を奪ったとき、多くの人は「ワンサイドゲームになるだろう」と思ったのではないだろうか。

「やはり強豪私立の壁は厚い」「石橋は公立校ながらここまでよくやった」、私はそう思った。

しかし、石橋はここからがすごかった。
準決勝の作新学院戦で好投した入江投手が3番手としてマウンドに立ち、国学院栃木の攻撃を止める。
そしてその後の攻撃(2回裏)で4点を返し、終わってみれば9-8で優勝してしまったのだ。

夏の栃木大会、公立校の優勝は2005年の宇南以来の19年ぶりだそうだ。
学校創立100周年、甲子園球場会場100年の年に、全国大会初出場。
本当にすごいと思う。

石橋の福田博之監督(58)が指導する学校はいつも強かった。
高校野球の指導歴は30以上だという。そして、今回が初優勝。
試合中の表情、試合後の優勝監督インタビューから、人としてもすばらしい方なのだと感じた。

田口主将の号泣しながらのインタビューも良かった。
感動的な決勝戦だった。

石橋、そして国学院栃木の選手のみなさん、すばらしい試合をありがとう。
また、すべての栃木県の高校球児のみなさん、本当にお疲れさまでした。

石橋の選手のみなさん、甲子園での勝利を期待します。
悔いのないプレーをして下さい。

石橋のチアリーダーに所属する当塾の卒業生Aさん、甲子園を楽しんできて下さい。

※写真は、重松清著『熱球』(新潮文庫)。

第119回 東京新聞も購読料改定

7月17日の東京新聞の1面に、価格改定のお知らせがあった。
現在、東京新聞の購読料は1か月2,950円だが、9月から3,400円に改定されるそうだ。

2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻による資源高や円安の影響などで、用紙代や燃料費などの製作コストが大幅に値上がりしているのが理由だそうだ。

ここのところ全国紙の値上げも続いていた。昨年10月には下野新聞も550円値上げされた。

東京新聞の今回の値上げは仕方ないと思う。
これまで同様、「地域最安値」は堅持するそうだ。

心配なのは、今回の価格改定で購読を中止してしまう人が出てくることだ。
私の周囲では、下野新聞の昨年の値上げを機に、新聞の購読自体をやめてしまった人が何人かいたのだ。

ネットで、タダで情報が入る時代ではある。
全国紙は政府に対しての忖度記事が増え、高い金を払って読む価値がなくなってしまったという現実もある。

そのような中、東京新聞はジャーナリズム精神を失っていない数少ない新聞だと思う。
これからも、東京新聞を応援し、購読し続けるつもりだ。

最近、私の使っているLINEスタンプに、東京新聞140周年キャラクター「むぎゅ」が加わった。ちょっと気に入っている。

※写真は、7月22日の朝刊に折り込まれていた東京新聞からの案内。

第118回 マイブーム、仏教!

数年おきに「仏教」がマイブームとなる。
仏教関係の本はたくさん持っている。

中学校の修学旅行で仏像と仏教建築に魅せられてしまった。
「お坊さんになりたい!」と思ったこともあったが、もちろん自分は寺の子どもではないし、煩悩多き自分には厳しい修行や生活は無理だと思いあきらめた。

大学で鎌倉仏教を研究しようと思って史学科に進んだけれど、考えが変わって近現代史を専攻し、「明治期の師範学校」で卒論を書いた。

我が家の宗派は一遍が開祖の時宗。
学生時代は『一遍上人語録』でレポートを書いた。もちろん(?)評価は「A」。

昔好きだったものはいつになっても好きなもの。
寺巡りは続けていて、定期的に「仏教ブーム」が来る。
そして、今、「仏教ブーム」が来ている。

というわけで、今、写真の本を読んでいる。
再読のものも含む。

第117回 原田マハ著『板上に咲く』

原田マハ著『板上に咲く』(幻冬舎)を読む。

この作品は「史実に基づいたフィクション」である。

主人公は版画家の棟方志功。
ゴッホに憧れ、貧しい生活の中で創作に励み、柳宗悦や濱田庄司と知り合い、才能を見出される。そして「世界の棟方」となった。

私が棟方志功を知ったのは大学生の時だ。
青森県に一人旅をしたとき、青森市内の美術館(?)で棟方の作品を見た。
縦長の大きな作品「二菩薩釈迦十代弟子」に圧倒された。

棟方の作品を見ていると元気がでる。
久しぶりに昔買った棟方の作品集を出してきた。

熱い夏、棟方の版画を見て元気をもらおうと思う。