第63回 谷中散策

10月7日(土)、谷中界隈を散策してきた。

第1回谷中川柳大会に応募するため、実際に谷中を散策してきたのだ。

東京の台東区にある谷中は、江戸や昭和の雰囲気が残っている場所である。

JR日暮里駅を下車。
谷中は「猫の街」と言われるだけあって、「日暮里駅」の文字盤には猫の耳、足跡、尻尾がある。
谷中銀座には猫の置物がたくさんあった。

また、この辺は俳句の句碑がたくさんあるようで、日暮里駅のすぐ近くの本行寺には、種田山頭火の句碑があり、それを見ることができたのは収穫だった。

本行寺
ほつと月がある東京に来てゐる 種田山頭火

今回一番行きたかったところが、「夕やけだんだん」。
日暮里駅の西口を出て御殿坂を上がっていくとある。
実際にこの場所に立つと、世界中から人が集まってくるのがわかる。
本当にすばらしい風景だ。

外国人観光客が多かった。
中国語、韓国語、英語など、さまざまな言語が飛び交っていた。

にぎやかな谷中銀座を通り、少し静かな「よみせ通り」を歩く。
延命地蔵尊があり、お年寄りが参拝していた。
私も参拝する。

日暮里駅に戻るため来た道を歩き、途中左に曲がると「岡倉天心記念公園」があった。
公園のあちこちに「六角型」の物があっておもしろかった。
これは茨城県の五浦海岸にある天心の六角堂にちなんだものだそうだ。

谷中散策の最後に、駅のすぐ近くにある谷中霊園に入る。
雑司ヶ谷霊園のようなものを想像していたが、ちょっと違っていた。

山手線に乗って上野へ行き、歩いて鈴本演芸場へ行く。
特別企画公演「秋の夜長の文菊十撰」(古今亭文菊師匠)だったため、幕見券で入場。
中入り後の午後7時から入場。
そのため、入場券3000円が2000円に。
四半世紀ぶりの寄席。
やはり、生の落語はいいものだ。
この日の文菊師匠の演目は「猫の災難」。
酔っ払いの演技がお見事。

約半日間、江戸情緒、昭和情緒を堪能した。 最高の気分転換ができた。
さあ、連休明けから仕事をがんばろう!

第62回 キャッチボール

9月某日、大学生の次男が戸籍謄本をとるために帰省した。
翌日、久しぶりにキャッチボールをしようということになった。

子どもたちとは、彼らが幼稚園児の頃から高校生までの間、よくキャッチボールをしたものだ。
しかし、次男が大学進学のため上京してからは、まったくキャッチボールをしていなかった。
約1年半もの間、やっていなかったことになる。

久しぶりのキャッチボール、次男の投げ方がぎこちなくて、つい笑ってしまった。
私だけでなく、次男も私と同じブランクがあったようだ。

高校までは体育の授業があって、運動部でなくても運動する機会がある。
しかし、高校を卒業して大学生になると、運動系の部活やサークルに入らなければ運動する機会がなくなってしまう。
そして、体力が落ちたことを実感するものだ。

次男は「なんかおかしいなぁ」と言いつつ、10分くらいやっていて、やっと感覚を取り戻したらしい。
それからしばらくはいろいろと話しながらキャッチボールをした。

親子でするキャッチボール、友人とするキャッチボールは、話しながらするものなので、最高のコミュニケーションである。

私の大好きな映画「フィールド・オブ・ドリームス」(1989年)、そして大林信彦監督の「異人たちとの夏」(1988年)にも、それぞれの主人公が自分よりも若い父(つまり幽霊なのだが)とキャッチボールをするシーンがある。

「フィールド・オブ・ドリームス」も「異人たちとの夏」もとても感動的なシーンである。
「親子でするキャッチボールはいいものだな」とつくづく思う。

「10分だけやろう」と始めたキャッチボールも、気づいてみたら20分もやっていた。
「そろそろ終わりにしよう」と話していたら、次男が大暴投し、ボールは草むらの中へ。

ボールを捜して草をかき分けていたら、ジャージに大量の植物の種(ひっつき虫)がついてしまった。
これをすべて取るのに30分くらいかかってしまった。

こうして約1年半ぶりのキャッチボールは終わった。
ひっつき虫の件は余計だったが、いい汗をかいて、気分もすっきりした。

受験生のみなさん、気分転換にキャッチボールはいいですよ。

最後に、キャッチボールの歌を紹介してこのブログを終わりにします。

的大き兄のミットに投げこみし健康印の軟球(ボール)はいずこ 

小高賢

第61回 下野新聞の値上げ

9月12日の下野新聞一面に、10月から値上げをするという案内があった。
現在の税込み3350円から550円値上げして、3900円になるという。

理由は、用紙やインキ代などの原材料費の高騰だそうだ。
新聞販売店でも人件費や燃料費の増加で配達コストが膨らんでいるという。
実際、そうなのだと思う。

今年は、朝日新聞も毎日新聞も産経新聞も値上がりした。
全国5紙の統合版の値段は以下の通りである(6月時点)。

・読売新聞   3400円
・朝日新聞   4000円
・毎日新聞   4000円
・日本経済新聞 4000円
・産経新聞   3900円

読売新聞は、今年の3月に「1年間は値上げはしない」と発表したが、その後は値上げをするだろう。

ちなみに、東京新聞は2950円である。

経営難もあり、全国紙の記事はどんどんつまらなくなっている。
ジャーナリズム精神を失ってしまい、権力に忖度した生ぬるい記事ばかりになってしまった。
文化面や文芸欄はおもしろいが、政治面は読む価値がなくなってしまったと感じている。
全国紙では「書きたいことが書けない」「この会社に未来はない」などの理由で、若くて優秀な記者(優秀な記者ほど)がどんどん辞めていっているそうだ。
まさに「貧すれば鈍する」である。

現在、私は東京新聞と下野新聞の2紙を購読している。
どちらも今の私には欠かせない新聞である。

ジャーナリズム精神を失っていない東京新聞は、読む価値がある新聞だ。
また、下野新聞は、地域の情報を得るためにはとても重要だ。

それにしても、「新聞」の将来が非常に心配である。
私が塾経営を始めた26年前は、塾生の家庭の新聞購読率は90%くらいあったと思う。
現在は20~30%くらいになっているのではないか。
電子版さえも読まれていないと思う。

新聞大好き人間、しかも「紙派」の私としては、とても悲しい現実である。
そのうち戸別配達制度も維持できなくなってしまうのではないか?

今回の下野新聞の値上げを機に、購読を止めるという人が増えないか?

新聞の存在について、いろいろと考えてしまった。

第60回 嫌な感じ

8月24日、福島第一原発の「処理水」の海洋放出が始まった。
これに対し中国が激しく反発した。
これを受け、中国に対し「中国はけしからん」「中国は日本の敵だ」といったことを主張する人々がいる。
「日本の魚を食べて中国に勝とう」などと頓珍漢なことを言ってナショナリズムを煽るジャーナリストもいて、本当に情けなくなる。

そもそも、福島の漁業関係者の理解を得ることなく、また諸外国の理解を得ることなく「処理水」の海洋放出を始めたのは日本なのである。
この「処理水」の海洋放出は30年は続くと言われている。
おそらく、30年ではすまないだろう。
もっともっと長期に及ぶはずだ。

この「処理水」は本当に安全なのだろうか?
私は水俣病を、サリドマイド薬害を、薬害エイズを思い出した。
すべて、最初は、国は安全といい、不安を感じる人たちの声を無視してきた。
そうしているうちに、被害はどんどんと拡大していったのである。

また同じことを繰り返すことになるのではないか?
私はとても嫌な感じがしている。

今、国や政治家がすべきことは、福島産の海産物を食べて安全性をアピールすることでも、中国を敵視してナショナリズムを煽ることでもない。
今すぐ「処理水」の海洋放出中止を決断することなのである。

第59回 コロナに感染して

コロナに感染した。
コロナ禍以降、かなり気をつけていたのだが、とうとう感染してしまった。

ちょうどお盆休みに入ったところで感染が判明。
本来は8月16日から授業再開だったが、妻も発熱したため、念のため18日まで休みとした。
20日の模試(中1生・中2生対象)から仕事を再開した。

お盆中何をしていたかというと、一日中、夏の甲子園大会を見ていた。
熱でうなされながら、ぼんやりした頭で高校野球を観戦していた。
それしかできなかった。

コロナの症状としては、喉の激しい痛みと高熱。
喉はガラスが刺さったような(実際にそんな経験をしたことはないのだが)激しい痛みがあった。また、味覚がおかしくなり、いつも飲んでいる麦茶やコーヒーが非常に不味く感じた。
大好きなコーヒーを口にする気が起きなかった。

幸い、今は完全に回復して、コーヒーが美味しいと思えるようになった。

療養中、高校野球の観戦以外にしたことは、NHKのミュージックスペシャルでサザンオールスターズの夏ライブを見たことだ。
1時間全13曲のライブ、最高だった。

桑田佳祐さん、現在、なんと67歳。
67歳であの若さと元気さ。見習わなければならないと思う。

このライブ視聴以降、サザンがマイブームで、ここのところサザンの曲ばかり聞いている。
サザンは本当にいい。夏の終わりのこの時期にはさらにぴったりだ。

コロナに感染してしまったため、8月の最終週も振替授業があり、塾生と保護者の皆様にはご迷惑をおかけして申し訳ございません。
8月の授業もあと3日。
何卒よろしくお願い致します。

第58回 洗濯公害  ~「保護者通信 第248号」より~

三者面談会時に資料をお渡しした通り、当塾は今春から積極的に「洗濯公害」について発信しています。

これまでも(20年以上)、折に触れて授業内で塾生たちに身の回りの化学物質の危険性について話をしてきました。

ここ数年、マイクロカプセル入りの柔軟剤、抗菌剤入りの洗剤、抗菌スプレーなどによる健康被害が非常に増えています。
しかも、自身が使っている場合だけでなく、他人の使用によって化学物質過敏症(CS)になってしまう人が増えています。
(職場や隣人などが原因で。集合住宅ではかなり深刻です。)

汚れた水の水槽で魚を飼えば、魚は弱ってすぐに死んでしまいます。
人間も同様です。
タバコの煙や柔軟剤の香りが充満する部屋にいれば、喉や頭が痛くなり、体調不良を起こしてしまいます。
もちろん、学習面でも大きなマイナスです。

現在の「洗濯公害」は、受動喫煙や水俣病、アスベストなどと同じで、立派な公害問題です。

NHKの「あさイチ」をご覧になられた方はご存知かと思いますが、化学物質過敏症は、短期間に大量の化学物質に暴露するか、少しずつ長期間暴露するか、そのどちらかで発症します(坂部先生談)。
普通は少しずつ長期間暴露することで発症してしまうのです。

一度CSになってしまうと地獄の日々が続きます。
また、人間関係もかなり難しくなります。

CSは正しい知識があれば未然に防げます。

お子さんの健康と学力、ご自身の健康、そして周囲の方々の健康を考えて、この機会に使用する洗剤などを見直していただければと思います。
賢い人から気づき始めています。
そのうち、「まだニオイつけてるの? おかしくない?」、そんなふうな世の中になると思います。

第57回 明日は「広島原爆の日」

明日、8月6日は「広島原爆の日」だ。
今年は戦後78年。
またあの日がやってくる。

東京新聞では、毎年「平和の俳句」を募集し、8月中、一面で毎日一句入選作品を紹介している。
選者は作家のいとうせいこうさんと俳人の夏井いつきさん。
今年は昨年を524句上回る6746句が寄せられたそうだ。
入選は30句。
今年は私も投句した。

以下は、8月5日に発表された句と選者・夏井いつきさんの選評である。

教室にはだしのゲンがいない夏 
立部笑子(49) 愛知県日進市

〈夏井いつき〉被爆体験を基にした漫画「はだしのゲン」が平和教材から外されました。原爆の悲惨さに触れる夏が変化していきます。

中沢啓治さんの漫画『はだしのゲン』は、世界24言語で翻訳され、世代や国境を越えて読みつ継がれている名作である。


今年の2月、広島市教育委員会は、市立小学校3年生向けの平和学習教材として引用されていた『はだしのゲン』を、2023年度から別のものに差し替えると発表した。
あれこれと尤もらしい理由をつけているが、保守系団体からの圧力があったと言われている。

なんとも酷い話である。

そういえば、ずいぶん以前に、『はだしのゲン』を学校の図書室から排除しようという動きがあった。
これも保守系団体などの圧力があったのだが、現在はどうなっているのだろうか?

私が小学校の頃は、学校の体育館で、全校生徒で『はだしのゲン』の映画(実写版)を見たものである。
とても良い取り組みだったと思う。

『はだしのゲン』を読めば、戦争は絶対にやってはいけないし、どうやって国民が戦争に巻き込まれていってしまうのかがよく分かる。
私は、「日本人必読の書」であると思っている。

なお、当塾には『はだしのゲン』が置いてあり、過去に熱心に読んでいた塾生がいたし、現在熱心に読んでいる塾生もいる。

第56回 斉藤一美アナを応援します!

2023年7月24日の東京新聞「あの人に迫る」は、文化放送アナウンサーの斉藤一美さんのインタビュー記事、担当は秋田耕平記者だった。
たいへん読み応えのある記事だった。

私は、ラジオは文化放送を聴くことが多い。
文化放送には「ライオンズナイター」という番組があり、斉藤アナは長年、埼玉西武ライオンズの試合を担当されていた。
ライオンズ愛あふれる、絶叫調の実況は、ライオンズファンにとっては本当にありがたいものだった。
関東地方のライオンズファンで斉藤アナを知らない人はいないと思う。

その斉藤アナは、2017年4月にプロ野球の実況を離れ、5年間、報道番組を担当された。
この番組の中で、時の権力に忖度しない、鋭い視点でニュースを紹介されていた。そこがたいへん魅力的だった。
全国紙やテレビのキー局などの大手メディアが、政権に忖度し、真実を伝えなくなってゆく中、斉藤アナの担当された報道番組は貴重な存在だった。

報道番組を担当する際に、「スポーツに戻る気は一切捨てて、報道に骨をうずめる覚悟」でやっていたそうだ。
そして、その報道番組を離れるときは、「本当に断腸の思い」だったそうである。
私も、斉藤アナが報道番組を辞めると聞いたときは本当に残念だった。

斉藤アナは、今年からまたスポーツ実況に戻られた。
絶叫調の「斉藤節」は健在である。
そして、「報道を五年間やって、視野が広くなりました」と語られているように、さらに進化した実況になっていると感じる。

斉藤アナは、「実況に限らず何でもやりたい」と語り、「準備を怠らずに、もうできないと思う日まで、どんなしゃべりの仕事でも受けられるようにしたいと思っています」とインタビューを締めくくった。

魅力的な斉藤一美アナをこれからも応援します。
そして、より多くの方に斉藤アナを知ってほしいと思う。

第55回 さあ夏休み

栃木県内の小中学校は昨日から夏休みだ。
当塾は昨日までが1学期の通常授業だった。24日から28日は授業は休みで、31日から夏休みの授業開始となる。
一週間授業はないが、この間に、三者面談会や新入生の面談などもある。また、中3生の夏期講習会をはじめとした授業の準備もあるので、なかなか忙しい。

夏休み、小中学生にとっては約40日間の休みとなる。
やるべき勉強はしっかりとやりつつ、是非、楽しく過ごしてほしい。
夏祭り、花火大会、盆踊りなど、夏のイベントはたくさんある。
家族で海や山へ出かけたり、旅行したりする人もいるだろう。
ここ数年は制限の多い夏休みだったが、今年はコロナ禍以前の夏休みに戻った。自身の体調に気をつけて、夏休みを満喫してほしい。

小中学生のみなさんには、もちろん高校生も、是非、読書をしてほしい。
「〇年生の夏休みに『○○』を読んだ」というのは、大人になっても覚えているもの。
この夏休みに、すばらしい本と出会ってほしい。

本に関して雑食の私は、ジャンルを問わず、さまざまな本やマンガを同時に十数冊読み進めている。
その中でも、今夢中なのは、宇都宮東高出身の門井慶喜さんの『自由は死せず』(双葉文庫)と水島新司さんの野球マンガ『ドカベン』(秋田文庫)の2作品だ。
前者は、板垣退助が主人公の歴史小説。今日ちょうど上巻を読み終えたところ。
後者は、言わずとしれた名作で、何回目かの再読となる。文庫版で31巻あって、現在は3巻を読んでいる。
主人公の山田太郎と相棒の岩鬼正美は、まだ鷹丘中で柔道をやっている。
今年の夏休みは、この2作品と暑い夏を熱く過ごすつもりだ。

さて、2023年の夏休みに、みなさんはどんな本と共に過ごすのだろうか?
塾生や卒業生のみなさん、よかったら読んだ本の感想を聞かせて下さい。

読み返す漱石「こころ」夏休み

第54回 君よ七月に熱くなれ

高校野球栃木大会が今月7日に開幕する。
今年もこの時期がやってきた。
高校野球ファンとしては今からわくわくしている。

先日、当塾の卒業生(高1生)から「ベンチ入りが決まりました!」というLINEがきた。
文武両道でがんばっている卒業生だ。「是非、試合を見に来て下さい」と書いてあった。
私は完全夜型人間なので、第一試合の観戦は、しかも猛暑の中で行われる夏の大会はなかなか辛いものがある。
当日の天気と当日の体調を考慮して、行けそうだったら行くと伝えておいた。

当日、現地観戦をする、しないにかかわらず、卒業生たちを応援したい。
7月10日の第一試合は「真岡高―茂木高」。真岡高野球部には卒業生が1人、茂木高野球部には卒業生が2人在籍している。
どちらを応援すべきか?
どちらも応援しよう。

真岡工業高の野球部にも当塾の卒業生が2人在籍している。そのうちの1人は3年生だ。
昨年の秋の大会では、現地観戦をして彼を応援してきた。
彼にとっては最後の大会となる。悔いのないような大会にして欲しい。

私にとっては、甲子園大会よりも栃木大会の方がおもしろい。
もう何年も前から、栃木大会で燃え尽きて、甲子園は気楽に試合結果を確認する程度になっている。
とにかく、怪我をしないようにプレーを楽しんで欲しい。 「君よ八月に熱くなれ」という名曲があるが、全国の高校球児のみなさん、七月に熱くなって下さい!